トゥルゴビシュテ(読み)とぅるごびしゅて(その他表記)Târgovişte

デジタル大辞泉 「トゥルゴビシュテ」の意味・読み・例文・類語

トゥルゴビシュテ(Târgovişte)

ルーマニア中南部の都市。首都ブカレスト北西約75キロメートル、ヤロミツァ川沿いに位置する。14世紀末から17世紀末までワラキア公国の首都が置かれた。旧王宮跡には15世紀にワラキア公ブラド=ツェペシュが築いたキンディア塔や16世紀創建の王立教会が残っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥルゴビシュテ」の意味・わかりやすい解説

トゥルゴビシュテ
とぅるごびしゅて
Târgovişte

ルーマニア中南部、ドゥンボビツァ県の県都。1989年のチャウシェスク社会主義政権崩壊後、ルーマニア語は1945年以前の表記法に戻り、それに従いトゥルゴビシュテも社会主義時代に使用されたTîrgovişteから、Târgovişteに戻った。首都ブクレシュティ(ブカレスト)の北西約75キロメートルにあり、南カルパティア山脈から流れるヤロミツァ川がルーマニア平原に出る所に位置する。人口8万9429(2002)。油田地帯にあり、石油採掘機械工業が発達している。鉄道交通の要地である。14世紀末からトランシルバニアとの交易都市として発展し、のちにワラキア公国(ルーマニア語名ツァーラ・ロムネアスカ)の首都(1383~1698)となり、経済政治、文化の中心地であった。15世紀のキンディエ塔や16世紀のドムネアスカ教会が残る。

[佐々田誠之助]

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改訂新版 世界大百科事典 「トゥルゴビシュテ」の意味・わかりやすい解説

トゥルゴビシュテ
Tîrgovişte

ルーマニア,南カルパチ山脈から流れるヤロミツァ川が平野に移る地点に位置し(標高285m),ドゥンボビツァ県の県都。人口9万(2002)。トランシルバニア地方との交易都市として発展,ミルチャ老公(在位1386-1418)はここをワラキアの主都とし,15~17世紀には同地方の政治・経済の中心地になった。冶金鉄道車両,石油採掘機械などの工業が発達する。14世紀の城跡,15世紀の要塞塔,16世紀のドムネアスカ教会がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥルゴビシュテ」の意味・わかりやすい解説

トゥルゴビシュテ
Tîrgovişte

ルーマニア南部,ドゥンボビツァ県 (面積 3738km2。人口 55万 9900〈1992推計〉) の県都。 1383~1698年ワラキア公国の首都で,政治,経済の中心地。油田地帯の中心都市で,第2次世界大戦後,工業都市として発展。冶金,石油精製,建設資材工業がある。 16世紀初頭に建設された修道院聖堂城塞遺跡がある。人口9万 7876 (1992推計) 。

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