なで(読み)ナデ

デジタル大辞泉 「なで」の意味・読み・例文・類語

な‐で

[連語]《完了の助動詞「ぬ」の未然形接続助詞「で」》…てしまわないで。…せずに。
「濡れたる衣をだに脱ぎかへ―なむ、こちまうで来つる」〈竹取

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精選版 日本国語大辞典 「なで」の意味・読み・例文・類語

なで

  1. 〘 副詞 〙
  2. [ 一 ] ( 「なんで」の変化した語 ) 「御用はなんでございますか」の意で、主として商人が用いる。→なでなで
    1. [初出の実例]「ごふく店なでに成るほどとどこほり」(出典:雑俳・柳多留‐一二(1777))
  3. [ 二 ]なぜ(何故)
    1. [初出の実例]「おとよさアなで今日は唄はねいか」(出典:隣の嫁(1908)〈伊藤左千夫〉二)

な‐で

  1. ( 完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に打消の接続助詞「で」の付いたもの ) …てしまわないで。…てしまわずに。
    1. [初出の実例]「しほにぬれたる衣だに脱ぎかへなで」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

なで

  1. 〘 名詞 〙 東北北陸地方雪崩(なだれ)をいう。〔浜荻仙台)(1813頃)〕

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世界大百科事典(旧版)内のなでの言及

【雪】より

…山地斜面の積雪は新雪時と融雪時に崩落し,人や施設に被害を及ぼすので恐れられ,前者にはホウラ,アワなどの呼称があり,発生時と発生場所が不定であり,強大な風圧が樹木などを倒すこともある。後者はナデ,ノマなどの名があって発生時期,個所はほぼ予期されるが,固結した半ば氷塊状の雪が落下する。 降雪期の初めは雪おこし,雪おろしなどと呼ばれる雷鳴ではじまり,著しい天候の急変と吹雪が襲うことがある。…

※「なで」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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