デジタル大辞泉
「何故」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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なぜ【何故】
- 〘 副詞 〙 理由、原因などを問うのに用いる。どういうわけで。なにゆえ。どうして。
- [初出の実例]「石火矢を打つ時は、城の近所を触廻りて、おじゃった。それはなぜなりや」(出典:おあむ物語(1661‐73頃))
- 「まへの猿来りて、『あなたは、なぜあの柿を取らないか』とたづねたり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉二)
何故の語誌
( 1 )「万葉集」にも多く見られる「なにせむに(何‐せむ‐に)」からの変化で、ナニセムニ→ナンゼンニ→ナゼンニ→ナゼニ→ナゼとなった。ナンゼンニの形は文献には見あたらないが、仮名で「なせんに」とあるものはナンゼンニの第二音節の撥音ンの無表記と考えられる。
( 2 )意味の面では、ナニセムニは奈良時代には、「何になろうか。いや何にも役立たない」という反語的意味と、「どういう目的でするのか」「なぜ…するのか」という目的・理由の問いただしの二つの用法があったが、ナゼンニ・ナゼンニカの段階ではすでに理由の問いただしに限定されているようである。
( 3 )ナゼニからナゼへの変化は、江戸時代になって末尾の「に」が、「すぐ‐に」「あまり‐に」「じき‐に」などの「に」と同じく付いても付かなくてもよい助詞と誤解されたためと考えられる。
なに‐ゆえ‥ゆゑ【何故】
- 〘 副詞 〙 理由の不明・不定なさまを表わす語。どうして。なぜ。どのようなわけで。なにゆえに。
- [初出の実例]「何故(なにゆゑ)か思はずあらむ紐の緒の心に入りて恋しきものを」(出典:万葉集(8C後)一二・二九七七)
なんぜ【何故】
- 〘 副詞 〙 「なぜ(何故)」を強めたいい方。
- [初出の実例]「『イヤなんにもしませぬ』『せんものが、なんぜ(何条)女ひとりおる内へはいらっせへた』」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「何故」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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