ナンキョクオキアミ(その他表記)Euphausia superba

改訂新版 世界大百科事典 「ナンキョクオキアミ」の意味・わかりやすい解説

ナンキョクオキアミ
Euphausia superba

オキアミ目オキアミ科の甲殻類で,南極海に分布する。大型のオキアミで,体長6cmに達する。海中に産み出された卵は孵化(ふか)後約2年あるいはそれ以上かかって成熟する。胸脚にそなえた間隔7μm前後の刺毛のふるいにより海水中の植物プランクトンをこし取って捕食し,南極海の夏季に著しく成長する。南極海域に出現するヒゲクジラ類,魚類,イカ類,海鳥類の主餌料であり,南極の海洋生態系の重要種である。数億t以上に達する膨大な資源量がある。旧ソ連では1961~62年から,日本では1972~73年から本種を対象とする漁業が始まった。1977年ごろよりバイオマス(BIOMASS)計画として,ナンキョクオキアミを中心とする南極海生態系の国際的共同研究が行われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナンキョクオキアミ」の意味・わかりやすい解説

ナンキョクオキアミ
Euphausia superba; Antarctic krill

軟甲綱オキアミ目オキアミ科。オキアミ類中の最大種で,体長 6cmに達する。エビ形をしているが,甲の横から鰓がむき出しになっている。南極海に分布し,ヒゲクジラ類,魚類,イカ類,海鳥類の主餌料で,数億tの資源量があると推定されている。海中に産み出された卵は孵化後約 2年で成熟するが,水温が上昇する夏,植物プランクトン(→プランクトン)が増加するとともに,それらを胸脚でこし取って食べて急速に成長する。近年は食用資源としても注目されている。(→甲殻類節足動物軟甲類

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