ネルンスト効果(読み)ネルンストコウカ(英語表記)Nernst effect

デジタル大辞泉 「ネルンスト効果」の意味・読み・例文・類語

ネルンスト‐こうか〔‐カウクワ〕【ネルンスト効果】

温度勾配により熱の流れている導体または半導体に垂直な磁界をかけると、熱流と磁界の両方に垂直な方向電位差が現れる現象。1886年に、ドイツネルンストとエッティングスハウゼンが発見ネルンストエッティングスハウゼン効果

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法則の辞典 「ネルンスト効果」の解説

ネルンスト効果【Nernst effect】

(1) 導体に互いに垂直な磁場と温度勾配を与えると,高温端から低温端へ向かう電子の流れが磁場により偏向を受けて曲げられる.このため電子の分布が一様でなくなり,横方向に電場が生じる.その大きさは

となる.ここで Ey はネルンスト電場,Q はネルンスト係数,Bz磁束密度dT/dx は縦方向の温度勾配である.

(2) 磁場中におかれた導体に,磁場とは垂直方向に電流を流すと,電流の方向に温度勾配が生じる現象のこと.通常はネルンスト‐エッティングスハウゼン効果*と呼ばれるが,単に,エッティングスハウゼン効果*横ネルンスト効果*ともいう.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネルンスト効果」の意味・わかりやすい解説

ネルンスト効果
ネルンストこうか
Nernst effect

金属や半導体における熱流磁気効果の1種。温度勾配があり,熱流が流れている導体または半導体に,熱流に垂直な方向に磁場を加えると,両者に垂直な方向に電位差が生じる現象をさす。この電位差を E とし,温度勾配を dT/dx ,磁束密度を B とすると,EQB(dT/dx) が成り立ち,この比例定数 Q をネルンスト係数と呼ぶ。この現象は,電子が磁場によりサイクロトロン運動 (→ラーモア半径 ) をすることに起因する。

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