ノバヤゼムリャ島(英語表記)Novaya Zemlya

改訂新版 世界大百科事典 「ノバヤゼムリャ島」の意味・わかりやすい解説

ノバヤ・ゼムリャ[島]
Novaya Zemlya

ロシア連邦北西部,ウラル山脈褶曲が,北極海域にふたたびあらわれたと考えられる島。北北東~南南西にのび,北極海をカラ海(東側)とバレンツ海(西側)に分ける。また南はカルスキエ・ボロタKarskie Vorota(カラ海の門)とよばれる幅約45kmの海峡によりバイガチ島を経てユーラシア大陸部に続く。長さ約1000km,幅40~110km,面積約8万3000km2。多くの小島を除けば南北2島に分かれ,その間は幅2~3kmのマトーチキン・シャル海峡で分けられる。島はケツ岩,石灰岩,種々の火成岩類からなり,最高点は北島の氷帽上の標高1547m地点,南島では1292m峰である。全島の面積の約1/4の約2万km2大陸氷河に覆われるが,その大半は北島にある。気温は1月平均で-16~-22℃,7月で2~6℃。氷河に覆われない地表は裸地かツンドラである。わずかな人口の住民が南島に小さな集落をつくって住み,ホッキョクギツネアザラシセイウチなどの狩猟で生活する。また数ヵ所にロシアの極地観測ステーションが置かれている。ノバヤ・ゼムリャは11~12世紀にロシア人その他の北方民族に知られていたと思われるが,確証はない。1760年にカレリア地方オロネツの狩猟家が船で周航し,1821-24年にはリトケF.P.Litke(1797-1882)隊ほか多数の探検・調査隊が足跡を印した。1956年ソ連政府はこの島を核実験場に指定し,500人の島民全員が退去を命じられ,多くはバイガチ島に移住した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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