ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイダー」の意味・わかりやすい解説
ハイダー
Haider, Jörg
[没]2008.10.11. クラーゲンフルト近郊
イェルク・ハイダー。オーストリアの政治家。極右政党オーストリア自由党 FPÖ党首(1986~2000),オーストリア未来同盟党首 BZÖ(2005~08),およびケルンテン州知事(1989~91,1999~2008)を務め,その政治姿勢や発言が物議をかもした。
ウィーン大学で学び 1973年に法学の学位を取得,続いて法学を教えた。学生時代 FPÖ青年部のリーダーを務め,のちに FPÖケルンテン州書記長となった。1979年,29歳で国会議員に初当選。1983年には FPÖケルンテン州代表となった。1986年 FPÖ党首に就任するとカリスマ性を発揮して党の人気を高めた。1989年にはケルンテン州知事となったが,1991年,アドルフ・ヒトラーの雇用政策を賞賛して辞任を余儀なくされた。1999年3月ケルンテン州知事に再選。同 1999年10月の総選挙で FPÖは過去最高の得票数を記録し第二党になると,オーストリア国民党 ÖVPと連立政権を組んだ。しかしこれに国際社会が強く反発,ヨーロッパ連合 EUがオーストリアに対して政治的制裁を科したため,ハイダーは FPÖ党首を辞任した。2004年ケルンテン州知事に再選。2005年新党 BZÖを結成。2008年,国政復帰の姿勢をみせたが,自動車事故で死亡した。
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