ハマウツボ科(読み)はまうつぼか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマウツボ科」の意味・わかりやすい解説

ハマウツボ科
はまうつぼか
[学] Orobanchaceae

双子葉植物、合弁花類。他の草や木の根に寄生する草本で、葉緑素はない。茎は太く、鱗片(りんぺん)葉を互生する。花は茎の頂に1個から数個、または総状に多数つき、両性で左右相称。花冠は5裂し、やや唇形をなす。雄しべは4本で、そのうち2本は長い。子房は上位、1室で2~6個の側膜胎座があり、多数の胚珠(はいしゅ)をつける。果実は蒴果(さくか)で2裂し、萼(がく)に包まれ、多数の微細な種子がある。おもに北半球温帯から亜熱帯を中心に13属約150種あり、日本にはナンバンギセル属、ハマウツボ属、オニク属、キヨスミウツボ属の4属6種が分布する。

[高橋秀男 2021年9月17日]

 APG分類でもハマウツボ科とされる。半寄生または全寄生植物ゴマノハグサ科に含められていた半寄生植物はAPG分類でハマウツボ科に移された。また、独立栄養の植物であるジオウの仲間もハマウツボ科とされた。この分類による2018年のデータでは世界に99属約2060種が知られ、日本には12属43種が自生し、帰化種、栽培種もある。

[編集部 2021年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマウツボ科」の意味・わかりやすい解説

ハマウツボ科
ハマウツボか
Orobanchaceae

双子葉植物の一科で,特に北半球の温帯地方に分布する。葉緑素を欠いた寄生植物約 15属 200種あまりなどからなっていたが,分子系統学に基づき,緑色の葉をもち光合成を行なうが特殊な根で他の緑色植物に寄生する半寄生植物 99属約 2025種も含まれるようになった。日本にはシオガマギク属 Pedicularisのほかにナンバンギセル属 Aeginetia,キヨスミウツボ属 Phacellanthus,オニク属 Boschniakia,ヤマウツボ属 Lathraeaなどがある。一部の種は,サトウキビやトウモロコシ,イネ科の植物に寄生し,農業上の害草になる。

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