ハルビン(哈爾浜)特別市(読み)ハルビン(英語表記)Harbin

翻訳|Harbin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ハルビン(哈爾浜)〔特別市〕
ハルビン
Harbin

中国東北地方,ヘイロンチヤン (黒竜江) 省の省都。東北地方第2の重工業都市。ハルビン市の7つの市区と1市1県から成る。ソンネン (松嫩) 平原東部,ソンホワ (松花) 江の南岸にある。月平均気温-18.3℃ (1月) ,22.2℃ (7月) 。年降水量は 500mmで夏季に多い。 19世紀末までは寒村であったが,ロシアが東支鉄道の建設にあたってソンホワ江水運の荷揚げ地とし,鉄道付属地に市街を築いたために急速に発展した。大豆,小麦などの集散が盛んとなって軽工業も興り,日本が占領した「満州国」時代には軍事の要地でもあった。 1946年解放され,第3次国内革命戦争では人民解放軍の後方基地として大きな役割を果した。5本の鉄道が集中するハルビン駅を中心に市街地があり,西部には工業地域,南東部には住宅地域,北部のソンホワ江岸には公園地域が広がる。工業は発電プラント,ボイラ,工作機械,機関車,タービンなどの重工業を主とし,製鋼,化学,精密機械,食品など多岐にわたる。軽工業は近郊の諸県にも広がっている。東方にはチーシー (鶏西) 市,ホーカン (鶴崗) 市の大炭田,西方にはターチン (大慶) 油田があって,動力資源に恵まれる。教育文化機関も多く,ヘイロンチヤン大学や,工業,医科,農業などの大学がある。チンハー (京哈) 鉄道,ラーピン (拉浜) 鉄道の終点で,西にはピンチョウ (浜洲) 鉄道,東にはピンソイ (浜綏) 鉄道,北方にはハーチヤ (哈佳) 鉄道が通じ,文字どおり鉄道交通の十字路にあたる。夏季にはソンホワ江に汽船が通じる。国内空港もある。人口 421万 9516,うち市区人口 299万 915 (1990) 。

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