改訂新版 世界大百科事典 「バスフ会社」の意味・わかりやすい解説
バスフ[会社]
BASF AG
バイエル社,ヘキスト社と並ぶドイツの三大総合化学会社の一つ。本社,マンハイム郊外のルートウィヒスハーフェン。1861年エンゲルホルンFriedrich Engelhornらにより,ルブラン法ソーダなどを製造するデッカーホフ・クレム社Dyckerhoff Clem & Cieとしてマンハイムに設立された。65年にはバーディッシュ・アニリン・ウント・ソーダ工業社Badisch Anilin-& Soda-Fabrik AGに改称。その後70年にアリザリン染料,97年にはインジゴ染料の生産を開始。1913年には化学工業における重要な技術であるハーバー=ボッシュ法によるアンモニア合成を開始した。25年,当時のドイツの六大化学工業会社と合同し,イーゲー・ファルベン社を結成した。第2次大戦後はイーゲー・ファルベン社は解体され,その後継会社として52年Badisch Anilin-& Soda-Fablik AGとして再発足(1973年に現社名となる),53年にはドイツ・シェル社と合弁でROW社(Rheinisch Olefinwerke GmbH)を設立,石油化学工業へ進出。60年代にはヨーロッパ最大の石油化学センターに成長させた。60年代後半からは塗料,医薬品などへ事業を拡大,また海外企業の買収を行った。これらの結果,世界の60ヵ国以上に約300の関連会社をもつ多国籍企業に成長した。日本には在日法人BASFジャパンがある。売上高375億ユーロ(2004年12月期)。
執筆者:清水 敏聖
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報