バソプレシン(英語表記)vasopressin

翻訳|vasopressin

世界大百科事典 第2版の解説

バソプレシン【vasopressin】

抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれ,尿量を調節する作用(抗利尿作用)をもつ脳下垂体後葉ホルモンの一つ。オキシトシンと同様,9個のアミノ酸からなる環状ペプチドで,ヒトをはじめ大部分の哺乳類では8番目のアミノ酸がアルギニンでアルギニン・バソプレシンといい,ブタなどではリジンでリジン・バソプレシンという。脳の視床下部の神経細胞で合成されたバソプレシンは,神経繊維を通って脳下垂体後葉に運ばれて貯蔵され,血液の浸透圧のわずかな変化や血液量の減少などの刺激に応じて,血液中に分泌される。

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世界大百科事典内のバソプレシンの言及

【脳下垂体】より

…このような放出ホルモンまたは放出因子とは逆に,放出を抑制するホルモン,すなわちホルモン放出抑制ホルモンinhibiting hormone(IH)もあり,プロラクチン放出抑制ホルモン(PIH),成長ホルモン放出抑制ホルモン(ソマトスタチン)などがみつかっている。
[後葉と後葉ホルモン]
 神経下垂体の後葉からは,オキシトシンoxytocin(OT)とバソプレシンvasopressin(VP)の二つのホルモンが出されるが,これらのホルモンは後葉で生合成され,分泌されるものではない。視床下部にある視索上核や室旁核の神経細胞で産生されたホルモンが,後葉にまでのびた神経突起の中を下降し貯留されたもので,刺激に応じて分泌されるのである。…

【尿崩症】より

…脳の視床下部でのバソプレシンの合成,分泌が障害され,腎臓で尿を濃縮することができなくなるために,尿がうすくなり,尿量が異常に増加する病気である。1日の尿量は数lから十数lにも及ぶため,頻繁に排尿せざるをえなくなり,一方で,体内の水分が尿中に排出されてしまうために異常な口の渇きを覚え,これをいやすために,頻繁に水分を摂取するようになる。…

【脳下垂体】より

…このような放出ホルモンまたは放出因子とは逆に,放出を抑制するホルモン,すなわちホルモン放出抑制ホルモンinhibiting hormone(IH)もあり,プロラクチン放出抑制ホルモン(PIH),成長ホルモン放出抑制ホルモン(ソマトスタチン)などがみつかっている。
[後葉と後葉ホルモン]
 神経下垂体の後葉からは,オキシトシンoxytocin(OT)とバソプレシンvasopressin(VP)の二つのホルモンが出されるが,これらのホルモンは後葉で生合成され,分泌されるものではない。視床下部にある視索上核や室旁核の神経細胞で産生されたホルモンが,後葉にまでのびた神経突起の中を下降し貯留されたもので,刺激に応じて分泌されるのである。…

【ホルモン剤】より

…(2)生理機能の人為的調節 黄体ホルモン剤(あるいは卵胞ホルモン剤との混合),いわゆるピルによる排卵抑制や月経周期の調節がこの好例である。(3)薬理作用の利用 ショック時の血圧上昇や開腹手術後の腸管麻痺の蠕動(ぜんどう)促進のためにバソプレシンを用いるのがこの例である。これらの作用は,バソプレシンの生理的分泌量では起こらない。…

※「バソプレシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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