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バーツ経済圏(読み)バーツけいざいけん(英語表記)Baht Economic Area

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バーツ経済圏
バーツけいざいけん
Baht Economic Area

タイが中心となってインドシナ3国 (ベトナム,カンボジア,ラオス) と経済圏を作るという構想。バーツ経済圏という名称は,インドシナ3国がタイの通貨を貿易決済に用いだしたことと,経済的に優勢なタイの影響力がこれら3国に及ぶとの発想から日本が呼ぶようになったものであるが,ミャンマーがこれに加わる可能性もある。その実現については,1989年に域内各国の中央銀行間で合意が成立している。タイはこれまで西側や中国との関係を重視し,ベトナムに対し強硬姿勢をとり続けてきたが,88年8月にチャチャイ首相が「インドシナ地域を戦場からタイの市場とする」と発言し,政策転換を表明した。この背景にはタイがインドシナ問題のために多大な犠牲を強いられてきたにもかかわらず,この問題がうまくいかなければ,インドシナ市場を日本やシンガポールに奪われてしまうという危機感がタイ国内にあったと考えられる。こうした情勢変化のもと,タイとインドシナ諸国との貿易は急速に発展し,90年の貿易額は 88年に比して約 2.7倍の2億 4000万ドルとなった。

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百科事典マイペディアの解説

バーツ経済圏【バーツけいざいけん】

タイを中心に周辺のインドシナ諸国やミャンマーを含む経済圏。バーツはタイの通貨単位。ベトナム軍のカンボジア撤退を契機にタイのチャチャイ首相が〈インドシナを戦場から市場に〉と発言し,積極外交(ニュー・ルック外交)を展開したのが発端。1991年タイは,ラオス,カンボジア,ミャンマー,ベトナムへのバーツ持ち出し額を引き上げ,バーツの流通範囲は広がった。しかし1997年以来のアジア経済危機のなか,同経済圏は苦境に陥っている。→ASEAN自由貿易圏東南アジア諸国連合

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