パタニティ・ブルー(読み)ぱたにてぃぶるー

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パタニティ・ブルー
ぱたにてぃぶるー

子供の出生によって、父親に責任感や不安などの、不安定な心理状況が生じること。パタニティpaternityは英語で父性を意味する。父親となったことがきっかけで父親としての役割を全うしようと考えるあまり動揺や葛藤(かっとう)が生まれ、神経症状や身体症状などを呈することがある。子を出産した直後から数日後ほどの間に母親の約半数が経験するといわれるマタニティ・ブルーに対して、パタニティ・ブルーは男性にも同じように軽度のうつ症状などのほか、頭痛や不眠および肩こりなどの症状がみられる。およそ10人に1人程度が経験するといわれる。育児への不安や生活状況の変化に対応できないことなどが原因となるが、とくに男性の場合は育児と仕事の板挟みに悩み、また会社の理解が得られない場合には、育児のための勤務時間の変更や育児休暇取得が認められないといった、パタニティ・ハラスメントを受けることもある。加えて自身のキャリアへの影響や経済的な困窮に対する不安などから、重症となれば無気力や意欲減退、さらには出勤意欲減退といった症状を呈することもある。

[編集部 2020年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例