マタニティ・ブルー(読み)またにてぃぶるー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マタニティ・ブルー」の意味・わかりやすい解説

マタニティ・ブルー
またにてぃぶるー

子を出産した直後から数日後に母親にみられる軽度のうつ症状。程度の差はあるが、疲れやすくなる、無気力になる、涙もろくなる、怒りっぽくなる、不安や寂しさを訴えるといった症状のほかに、頭痛不眠および食欲不振といった症状を呈する。原因は不明であるが、出産が原因となる精神的ストレスおよび疲労、ホルモンバランスの変調育児に伴う睡眠不足、環境や生活状況の変化、育児への不安などによる心理的な反応などが関係しているのではないかと考えられている。産褥(さんじょく)婦の約半数が経験する。多くは一過性のもので1~2週間で回復する。重い症状が長く続く場合は周産期うつ病が疑われるため、医療機関を受診することが望まれる。

大野 裕 2020年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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