無気力(読み)ムキリョク

デジタル大辞泉 「無気力」の意味・読み・例文・類語

む‐きりょく【無気力】

[名・形動]何をする気力もないこと。やる気のないこと。また、そのさま。「無気力な(の)学生」
[類語]ぶらぶらごろごろちんたらぐうたらぬらりくらりのらりくらりのらくらだらだらものぐさだらけるのほほんのんべんだらり風太郎ぷうたろうその日暮らし便便だらり便便ずぼらだらしないしだらないぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみのろのろもたもたぐずぐず投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかるもさくさもさっともさもさのそりのさのさのそのそとぼとぼのこのこのっそりそろそろゆっくりのろまのっしのっしのしのし遅いのろいのろくさいまぬるいまのろいスロー緩慢とろいまだるいまだるっこいにぶ緩徐遅緩スローモー遅遅ぼやぼや鈍重どんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりゆったり悠然悠悠

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精選版 日本国語大辞典 「無気力」の意味・読み・例文・類語

む‐きりょく【無気力】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ことをなしとげようとする意欲のないこと。活力・元気のないこと。いくじのないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「卑屈、卑劣、無気力(ムキリョク)人間」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇)
    2. [その他の文献]〔李賀‐美人梳頭歌〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「無気力」の意味・わかりやすい解説

無気力
むきりょく
helplessness

人間は、どんなに努力しても期待する結果が得られなかったり、自己の行動とは無関係に物事が推移しているとわかったりすると、否定的な心理状態に陥り、行動の意欲が減退する。この状態を無気力または無力感という。無気力は、心理学的には、統制可能性と予測可能性の2概念が関与していることが知られている。統制可能性とは、物事の成功や失敗が自分自身で統制できると認識するかどうかを表す概念で、成功や失敗が自分の統制外の要素、たとえば偶然や運などで決定されているとみなすと、無気力になりやすい。予測可能性とは、物事の生起を事前に知るための手掛りを得ているかどうかの概念で、人間は、たとえ統制不可能であっても、不測事態や不快な事柄がどのように起こるかをあらかじめ知っていれば、情緒的な混乱を少なくすることができ、無気力な状態を減らすことができるのである。

 無気力に陥らない、すなわち効力感をもち、充実した生活を送るための要件は、物事を統制する主体者は自分であるという感覚をもつこと、相互に認め合えるような仲間をもつこと、物事に熟達するよう自分を高めること、などが指摘されている。

[岸 学]

『波多野誼余夫・稲垣佳世子著『無気力の心理学』(1981・中公新書)』『水口禮治著『無気力からの脱出』(1985・福村出版)』『加藤諦三著『「やる気がでない人」の心理学』(2009・PHP研究所)』

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