パン・スラヴ主義(その他表記)Pan-Slavism

翻訳|Pan-Slavism

山川 世界史小辞典 改訂新版 「パン・スラヴ主義」の解説

パン・スラヴ主義(パン・スラヴしゅぎ)
Pan-Slavism

すべてのスラヴ民族統一連合をめざす思想運動。19世紀の初めスロヴァキアの詩人ヤン・コラールが唱え始めたという。1848年の革命に際しては,スラヴ民族会議プラハで開かれた。だが,クリミア戦争後,ロシアの主導のもとに置かれ,パン・ゲルマン主義に対抗するものとなり,そのような動きを嫌ったネオ・スラヴ主義も20世紀初頭には現れた。第二次世界大戦後はソ連と東欧諸国を結びつけるイデオロギーとしても機能した。

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関連語 革命

旺文社世界史事典 三訂版 「パン・スラヴ主義」の解説

パン−スラヴ主義
パン−スラヴしゅぎ
Pan-Slavism

ロシアを中心にスラヴ系諸民族の文化的・政治的統一をはかる思想とその運動
最初,オスマン帝国・オーストリア−ハンガリー帝国内のスラヴ系民族の民族主義運動として現れた。1867年にはモスクワの民族大会でスラヴ大帝国の建設が叫ばれた。ベルリン会議以後,この思想はバルカンの国粋的民族主義をあおり,それがロシアの南下政策と結合してロシアの帝国主義的世界政策の手段として利用され,パン−ゲルマン主義と対立,第一次世界大戦勃発の一因となった。いっぽう,ロシアのパン−スラヴ主義から除外されていたポーランドの場合は,ロシアからの自立と大ポーランド建設という異質な方向性をもっていた。

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