改訂新版 世界大百科事典 「ヒダントイン」の意味・わかりやすい解説
ヒダントイン
hydantoin

グリコール酸CH2(OH)COOHの環式ウレイドに相当し,グリコリル尿素,2,5-ジケトイミダゾリジンなどともいう。天然には糖みつの中に含まれる。グリシンH2NCH2COOHか,アミノアセトニトリルH2NCH2CNをシアン酸カリウムKOCNと反応させてつくる。無色無臭の針状結晶。融点220~221℃で,水に溶けにくい。水酸化バリウム水溶液と加熱すれば開環してヒダントイン酸となる。
一般にアミノ酸とイソシアン酸フェニルを反応させ,さらに酸で処理すると得られるフェニルヒダントインは結晶性がよく,アミノ酸の確認に用いられる。
ヒダントイン誘導体は容易に加水分解されてアミノ酸を生じるので,アミノ酸合成にも利用される。
執筆者:竹内 敬人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報


無色の針状晶.融点220 ℃.K 7.59×10-10(25 ℃).