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ピエロ・リュネール Pierrot lunaire

世界大百科事典 第2版の解説

ピエロ・リュネール【Pierrot lunaire】

A.シェーンベルクの無調時代の代表的な作品(作品21)で,1912年に作曲され,〈初演者ツェーメ夫人に心からの友情をもって〉献呈された。邦訳名は《月に憑(つ)かれたピエロ》。ベルギーの詩人A.ジローの同名の詩集(ドイツ語訳《ハルトレーベン》)に基づき,全3部各7曲からなっている。声,ピアノ,フルート(ピッコロ持ちかえ),クラリネット(バス・クラリネット持ちかえ),バイオリン(ビオラ持ちかえ),チェロという斬新な組合せアンサンブルのための作品で,楽器編成は各曲ごとに変化する。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のピエロ・リュネールの言及

【シェーンベルク】より

… 無調時代(1909‐16)は彼の第2期に当たり,最も表現主義的色彩の濃い時期である。この時期には《ゲオルゲ歌曲集》のほか《三つのピアノ曲》(1909),《五つの管弦楽曲》(1909),モノドラマ《期待》(1909),《ピエロ・リュネール》(1912)など怪奇な表出力をもった傑作が多い。特に《ピエロ》は無調時代の集大成であり,5人の特殊編成の室内楽は,第2次世界大戦後の色彩性を重んじた室内楽編成に影響を与え,また〈シュプレヒシュティンメ〉という新しい声楽の表現法は,後の歌曲のあり方に影響を残した。…

【ピエロ】より

… また,《古着屋》の主役ピエロの持つもう一つの側面,すなわち〈犯罪者のピエロ〉は,不安な潜在意識につき動かされる近代人のグロテスクさを持ち,そこにはドイツの劇作家G.ビュヒナーの《ボイツェック》などとの共通点が見いだせる。作曲家A.シェーンベルクの《ピエロ・リュネール(月に憑かれたピエロ)》(1912)は,こうした世紀末の時代における病的な死の想念にとりつかれたピエロ像を描いて,ドビュローの〈白いピエロ〉に対して,〈黒いピエロ〉ともいうべき病める精神の道化を創造している。 T.ゴーティエも,みずからピエロを主人公とした劇作《死後のピエロ》を書き,当時(19世紀中葉)の演劇の主流だったメロドラマやF.ポンサール風の悲劇よりも,バレエやパントマイムを評価した。…

【表現主義】より

…ベルクのみが未完のオペラ《ルル》(1935)に至るまで生涯表現主義的であり続けた。この時期の代表作としてシェーンベルクの《期待》(1909),《ピエロ・リュネール》(1912),ウェーベルンの《弦楽四重奏のための六つのバガテル》(1913),ベルクのオペラ《ウォツェック》(1912‐24)などがある。なお,ストラビンスキーの《春の祭典》(1913)や,スクリャービンの《プロメテ》(1910)なども同様な内容を持っている。…

※「ピエロ・リュネール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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