コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

クラリネット clarinet

翻訳|clarinet

百科事典マイペディアの解説

クラリネット

シングル・リードの木管楽器。18世紀初頭にドイツで発明された。名の由来は,高音トランペットのクラリーノに音色が似ていたためとも,朝顔形の開口部がクラリーノを思わせるためともいわれる。18世紀後半にマンハイムの楽団で常用されて脚光を浴び,1790年ころにはヨーロッパ各地の楽団に定着。以後オーケストラに欠かせない重要な楽器となった。移調楽器で,変ロ調,イ調,高い変ホ調,およびバスなどに現在は統一されている。音域は4オクターブ近くあり,表現力はじつに幅が広い。吹奏楽,ジャズやポピュラー音楽などに広く使用される。→グッドマンバセットホルンリード
→関連項目管弦楽サクソフォーン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

クラリネット【clarinet】

シングル・リードを用いて鳴らす管楽器の一種。民俗音楽関係の記述などでは,シングル・リードの管楽器の総称として〈クラリネット〉ということもある。 ニュルンベルクの楽器製造家J.C.デンナーが1700年前後,シャリュモーという楽器を改良して2鍵を付したのに始まる。管の主要部は円筒管を成す。さまざまな大きさや調子で作られるが,今日基準的なのはソプラノ相当で変ロ調の楽器であり,半音低いイ調の楽器もクラシック系で重要である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

クラリネット【clarinet】

木管楽器の一。一枚リードの円筒管で、まろやかな音色と広い音域をもつ。音域により数種にわかれる。クラリオネット。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クラリネット
くらりねっと
clarinet英語
Klarinetteドイツ語
clarinetteフランス語
clarinettoイタリア語

シングルリード(単簧(たんこう))の木管楽器の一種。他の木管楽器の多くが円錐(えんすい)管であるのに対し、円筒管で、閉管振動をするため偶数次倍音をもたないという音色上の特徴をもち、また広い音域を特徴とする。しかし、それが運指の複雑さにもつながっている。ただし、わずかに円錐状の管のものもある。シングルリードの管楽器は古代からあったとされるが、クラリネットの直接の前身は17世紀のシャリュモーchalumeauであるといわれている。その欠点(オーバーブローイングができず、音域が狭い)を解消するために、ドイツのデンナーJ. C. Dennerによって1700年ごろつくられたのがクラリネットである。クラリネットの名称は、中高音がクラリーノ(小型のトランペット)に似ているところからつけられたといわれる。
 クラリネットには、ピッコロ・クラリネットからコントラバス・クラリネットまで多くの種類があるが、もっともよく用いられるのは、ソプラノ・クラリネットのB♭管とA管である。B♭管は全長約67センチメートル、内径約15ミリメートルで、D3~B♭6の4オクターブ弱の音域をもつ。A管はB♭管よりやや長めで、音域は半音低い。また、B♭管よりも1オクターブ低い音域のバス・クラリネットや4度高いE♭ソプラニーノ・クラリネットもしばしば用いられる。キー・システムでは24音孔、17鍵(けん)、6リングのいわゆるベーム式またはフランス型がもっとも一般化している。これは、1840年ごろオーギュスト・ビュッフェLouis-Auguste Buffetとヤサーント・クローゼHyacinthe Klosが、ベーム式フルートのシステムを応用して開発したものである。また、すでに1810年ごろには、ミュラーI. Mllerによって、現在のドイツ型クラリネットの基礎となる13鍵の楽器がつくられていた。ベーム式はキー・システムが合理的で運指に有利であるが、音色の点でドイツ型を使用している奏者も少なくない。概して、ドイツ型は中高音は美しいが、低音の響きに弱さをもつ。近年それを補うための改良も行われている。
 この楽器を管弦楽中に初めて使用したのはファーバーJ. A. J. Faberのミサ曲(1720年代)においてであるといわれる。そして18世紀中ごろマンハイム宮廷楽団に常備されたのを皮切りに、しだいに一般化し、数多くの名手を生んだ。モーツァルトは、クラリネット奏者シュタードラーAnton Stadler(1753―1821)との交友関係から『パリ交響曲』(1778)、オペラ『イドメネオ』(1781)、そして彼の唯一の『クラリネット協奏曲イ長調』(1791)などの傑作を書き、ウェーバーは奏者ベルマンHeinrich Joseph Brmann(1784―1847)のために三つのクラリネット協奏曲(1811)を作曲。ブラームスもクラリネット五重奏曲(1891)を奏者ミュールフェルトのために作曲している。20世紀になるとクラリネットはジャズにも用いられ、ベニー・グッドマン、アーティ・ショーArtie Shaw(1910―2004)ら多くの名奏者を輩出している。[前川陽郁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のクラリネットの言及

【管楽器】より

…管の中の空気(空気柱)に外部から気流(ふつうは奏者の呼気)を作用させて楽音を作る楽器の総称。気流の作用を受ける方式には,(1)管壁に小孔をあけ,側縁に気流を当てる(フルート),(2)管の入口に振動体をしかける(オーボエ,クラリネット),(3)管の入口に唇を当て,振動体として機能させる(トランペット)がある。(2)の場合の振動体は,適当な弾力のあるリードと呼ばれる薄片で,シングル・リード,ダブル・リードなどの別がある。…

※「クラリネット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

クラリネットの関連キーワードローゼンブラット:ビゼーの「カルメン」の主題によるファンタジー/2 pianos 4 handsマイヤー(Sabine Meyer)水野純交とグラマシー・ファイブエンドレ セルヴァーンスキウイルバー スウェットマンマーシャル・W. ロイヤルウドゥン・ジョー ニコラスペーター シュミードルスタン ハッセルガードレオポルト ウラッハヘイウッド ヘンリーアルフォンソ ピクージェリー ウォルドジョージ バケットベニー グッドマンミシェル ポルタルアーティー ショーエドモンド ホールザビーネ マイヤーウッディ ハーマン

今日のキーワード

悪魔の証明

証明が非常に困難なものごとを表す比喩表現。古代ローマ法において所有権の帰属証明が極めて困難であったことから、この言葉が初めて用いられたとされている。現代においては、権利関係や消極的事実の証明に関する法...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

クラリネットの関連情報