ピッツート(英語表記)Antonio Pizzuto

改訂新版 世界大百科事典 「ピッツート」の意味・わかりやすい解説

ピッツート
Antonio Pizzuto
生没年:1893-1976

イタリア作家。内務省高官を退職後,作家として登場するが,たちまちイタリアの小説変革の旗手の一人となった。初期の《ロジーナ嬢》(1959),《人形修理》(1960)には,まだ自伝的側面も透けてみえるが,《ラベンナ》(1962),《断章》(1964),《自転車》(1966)などの作品になると,旧来の小説の殻を打破しようとする明確な意図のもとに,作品に対する読み手の参加を呼びかけ,その参加をまって初めて,一見脈絡を欠いているかと思われる短章群が,精緻な極込細工のように再構築されるという前衛的手法をとる。ほかに,《成績表Ⅰ》(1973),《成績表Ⅱ》(1975)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピッツート」の意味・わかりやすい解説

ピッツート
Pizzuto, Antonio

[生]1893. パレルモ
[没]1976.11.23. ローマ
イタリアの小説家中年を過ぎてから作家活動を開始したが,一部批評家からは 20世紀イタリア文学の最前衛に位置すると考えられている。主著『ロジーナ嬢』 Signorina Rosina (1959) ,『ラベンナ』 Ravenna (62) ,『自転車』 La bicicletta (66) ,『遺言』 Testamento (69) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android