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ファブリカ Fabrica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ファブリカ
Fabrica

アンドレアス・ウェサリウスの著した解剖書。正式名称は『人体の構造について』De humani corporis fabrica libri septem。1543年に出た初版は 44.5cm×30.0cmという大型本で,7編からなる。体系的な記述と正確な挿図で,それ以前の解剖書と比べてきわだっており,近代解剖学の基盤をなした画期的な著作といわれる。特に挿図はウェサリウス自身やティツィアーノ・ベチェリ(ベチェリオ)の弟子 S.カルカールらによるもので,マニエリスム時代を感じさせる画法は美術史上からも注目される。(→解剖学

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大辞林 第三版の解説

ファブリカ【Fabrica】

解剖書。ベサリウス著。1543年刊。正称「人体の構造について」。精密な解剖図と記述により、中世から近代医学への分水嶺となった医書。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ファブリカ
ふぁぶりか
Fabrica

ベサリウスが著した解剖書。正しくは『人体の構造に関する七つの本』De humani corporis fabrica libri septemという。初版は1543年6月にバーゼルのオポリヌス書店から出版された。本文663ページで、300以上の正確な、美しい木版の図がある。図の筆者はティツィアーノの弟子のカルカルJohannes Stephan von Kalkarであろうといわれている。今日、系統解剖学とよばれる分野の全般にわたって、1人の手でこのような業績をあげえたことは、ほとんど例をみない。このときベサリウスは28歳で、パドバ大学の教授であった。自らの手で行った多数の人体解剖に基づいて書かれた本書には多くの新しい事実が盛られていて、それまで最高の権威とされていたガレノスの解剖学は崩れさり、新事実は200項目を超えるといわれる。1555年第二版が増訂版として出版された。本文は824ページに増加し、より科学的な価値を加えたことはもちろんだが、科学と芸術の融合した極致の書として文化史的にも高く評価されている。その後1782年までに25版を重ねた。
 日本へは1656年(明暦2)ごろ渡来したものと思われるが、これを受容するだけの言語学的、医学的素地はなく、日本の医学に直接的な影響を与えることはなかった。[深瀬泰旦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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