前12~前11世紀にパレスティナの西海岸平野に定着した民族。ラメセス3世の治世にエーゲ海域より移動して,エジプトに海上から侵入を試みたが撃退された〈海の民〉の一員p-r-s-tに比定される。その地は前9世紀末のアッシリアの碑文ではパラストゥ,旧約聖書ではペレシェト,すなわちペリシテとして言及される。この民族は土地定着時代末期のイスラエル諸部族を,ガザ,ガテ,アシケロン,アシドド,エクロンの5都市の軍事力で圧迫し,サウルを戦死させた。しかしダビデに敗れて以後はイスラエル人の有力な敵ではなく,むしろ反アッシリア同盟などで協力した。ユダ王国と同様,バビロニアのネブカドネザルによって滅ぼされた。定着後は宗教など文化的にカナン化した。
執筆者:並木 浩一
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出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…〈海の民〉はヒッタイト帝国の首都を前1200年ころ攻略し,さらにシリアの諸都市を襲った。彼らの一分子フィリスティア人(ペリシテ人)は南パレスティナに定住した。前13世紀末までにアラム人はシリア各地の都市を支配し,北部のヒッタイト系移住民をも次々に征服し,ラクダを活用した隊商世界を築いた。…
※「フィリスティア人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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