フェドートフ(読み)ふぇどーとふ(英語表記)Георгий Петрович Федотов/Georgiy Petrovich Fedotov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェドートフ」の意味・わかりやすい解説

フェドートフ
ふぇどーとふ
Георгий Петрович Федотов/Georgiy Petrovich Fedotov
(1886―1951)

ロシアの思想家、宗教史家。サラトフ市の高級官僚の家庭に生まれる。ペテルブルグの工芸専門学校に在学中、社会民主党の活動に参加、のち歴史研究に向かい、ペテルブルグ大学で中世宗教史を学び(1908~1910)、キリスト教に接近。革命後ペトログラードで非合法の正教サークルを組織。1925年パリに亡命、正教神学校で教えるかたわら宗教関係の雑誌に健筆を振るう。一種のキリスト教的社会主義の立場から資本主義と共産主義を一様に批判。1940年ナチスの侵攻を避けてアメリカへ移り、ここで『ロシアの宗教心』(1946)を書く。ほかに『古代ルーシの聖者たち』(1931)、『現在と未来と(ロシアと革命についての考察)』(1932)、論文集『ロシアの相貌(そうぼう)』(1967)などがある。

[青山太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェドートフ」の意味・わかりやすい解説

フェドートフ
Fedotov, Pavel Andreevich

[生]1815.7.22. モスクワ
[没]1852.11.14. ペテルブルグ
ロシアの画家。ロシア風刺画の創始者で,1850~60年代の思想的リアリズムに影響を与えた。初め士官候補生となり,かたわら素朴な室内画を描いたが,44年よりペテルブルグの美術アカデミーで絵画を学び,17世紀オランダ風俗画の影響を受け,官吏商人の愚昧さを鋭く風刺する作品を描いた。主要作品は『新米騎士』 (1846,モスクワ,トレチヤコフ国立美術館) ,『貴族朝食』 (49~51,同) など。

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