改訂新版 世界大百科事典 「フォルストホフ」の意味・わかりやすい解説
フォルストホフ
Ernst Forsthoff
生没年:1902-74
ドイツの公法学者。1933年以降フランクフルト,ハンブルク,ケーニヒスベルク,ウィーンの各大学教授を歴任の後,43年からハイデルベルク大学教授として第2次大戦後の西ドイツ公法学をリードした。つとにナチス政権下において,現代国家では国民生活が行政の給付活動に大幅に依存せざるをえないことを指摘し,給付行政leistende Verwaltung,生存配慮Daseinsvorsorge等の概念によって第2次大戦後の行政法学に大きな影響を与えた。また,憲法学の分野では,C.シュミットの影響の下,〈ボン基本法における市民的法治国への決定〉を理由として自由主義的法治国家論を展開し,ボン基本法の社会国家的要素を強調する憲法学界の主流と対立した。
執筆者:藤田 宙靖
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報