フォルスマン(読み)ふぉるすまん(英語表記)Werner Theodor Otto Forssmann

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォルスマン」の意味・わかりやすい解説

フォルスマン
ふぉるすまん
Werner Theodor Otto Forssmann
(1904―1979)

ドイツ医学者。ベルリンに生まれる。1922年ベルリン大学へ入学、医学を修めた。卒業後、1929年に外科医としてベルリン郊外にあるオーガスト・ビクトリア・ホーム病院に行き、そこで心臓カテーテル法の開発に着手した。その後、マインツ市営病院などドイツ各地の病院に勤務、第二次世界大戦中は軍医として従軍した。1950年バードクロイツナッハで泌尿器科専門医として診療活動を行い、1958年デュッセルドルフの福音派病院外科部長についた。

 フォルスマンの発明した心臓カテーテル法とは、心臓にカテーテル(診療、治療に使う管)を血管から挿入し心臓機能検査を行うもので、彼はその効果を自らのからだで確かめた。当初は注目を集めなかったが、のちにアメリカの医学者クールナンリチャーズによって、その有効性が確かめられ、彼らとともに1956年のノーベル医学生理学賞を受賞した。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォルスマン」の意味・わかりやすい解説

フォルスマン
Forssmann, Werner

[生]1904.8.29. ベルリン
[没]1979.6.1. ショプフハイム
ドイツの外科医。カテーテルを心臓内部に挿入し,それによって循環器の病変を研究することに寄与した業績で,アメリカの A.クールナン,D.W.リチャーズとともに,1956年のノーベル生理学・医学賞を受けた。 28年にベルリン大学を卒業,エーベルスワルデの病院に勤めたが,死体解剖中に,腕の静脈から細い管を入れると心臓に達することを発見した。そこで自分の身体で実験し,カテーテルを 65cmほど押入れて,歩いてレントゲン室に行き,心臓の右心房に達していることをレントゲン写真で確認した (1929) 。この方法は初め日の目をみることがなかったが,クールナンらが臨床研究に応用したことから注目されるようになった。

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百科事典マイペディア 「フォルスマン」の意味・わかりやすい解説

フォルスマン

ドイツの医学者。ベルリン大学卒。デュッセルドルフの病院に勤務。心臓カテーテル法を考案し,心臓病診断心肺の病態生理研究に貢献した。1956年ノーベル生理医学賞。
→関連項目クールナン

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