クールナン(読み)くーるなん(英語表記)André Frédéric Cournand

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クールナン」の意味・わかりやすい解説

クールナン
くーるなん
André Frédéric Cournand
(1895―1988)

フランス生まれのアメリカの医学者。医師の息子としてパリに生まれる。ソルボンヌ大学(パリ大学)で物理学化学生物学を学び、1914年に医学部に進んだが、第一次世界大戦では兵役についた。1925年にパリ病院で医学研修生として臨床経験を多くつみ、1930年に医学博士となった。同年アメリカに渡り、ニューヨークのコロンビア大学ベルビュウ病院でリチャーズの指導のもと、研究活動に従事した。1934年専任講師、1951年教授となった。なお、1941年にアメリカに帰化している。

 心臓機能、循環系の研究に専念し、リチャーズと共同で、カテーテルを用いた心臓機能検査法(心臓カテーテル法)を完成させた。これによって、心臓機能および心臓疾患の研究が飛躍的発展をとげた。そのため、心臓カテーテル法の開発者フォルスマン、共同研究者リチャーズとともに1956年のノーベル医学生理学賞を受賞した。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クールナン」の意味・わかりやすい解説

クールナン
Cournand, André Frédéric

[生]1895.9.24. パリ
[没]1988.2.19.
フランス人で 1941年アメリカに帰化した内科医,生理学者。心臓カテーテルおよび循環器系における病理学的変化に関する研究で,アメリカの D.リチャーズ,ドイツの W.フォルスマンとともに 56年度のノーベル生理学・医学賞を受けた。 13年,パリ大学文学部卒業,翌年理学部卒業の免状を取り,14年から医学を学びはじめ,30年パリ大学医学部卒業後,ニューヨークのベルビュー病院で研究中リチャーズに出会い,以来 25年にわたって,共同して肺と心臓の機能を追究した。細い管を静脈に通して自分自身の心臓に入れ,心臓の押出す血液量や,その際の血圧を直接にはかったフォルスマンの実験を改良,今日心臓カテーテルと呼ばれている方法を完成して,心臓機能のより正確な検査を可能にした。 34年にコロンビア大学講師となり,51年教授。

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百科事典マイペディア 「クールナン」の意味・わかりやすい解説

クールナン

米国の医学者。フランスで生まれ,パリで医学を学び,1931年渡米。コロンビア大学内科教室に入り,1945年同大学教授。フォルスマンの考案した心臓カテーテル法を実施して心臓病診断効果をあげ,1956年ノーベル生理医学賞。

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