日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロモベンゼン」の意味・わかりやすい解説
ブロモベンゼン
ぶろもべんぜん
bromobenzene
ベンゼン置換体の一つ。ベンゼン環に結合している水素原子1個を臭素原子で置換したもの。無色で芳香性の液体。水に不溶、ヘキサン、クロロホルム、ベンゼン、アルコールなどの有機溶媒に可溶。皮膚刺激性で、蒸気吸入は習慣性中毒のおそれがある。ベンゼンに少量の鉄粉を加え、臭素を徐々に加えて反応させ、分留すれば得られる。
2Fe+3Br2―→2FeBr3
FeBr3+Br2―→Br+[FeBr4]-
C6H6+Br+―→C6H5Br+H+
有機合成では、金属マグネシウムと反応させてフェニルマグネシウムブロミドに変え、フェニル化剤として用いることが多い。種々のカップリング反応にも用いられる。
[加治有恒・廣田 穰 2015年7月21日]