日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリングスハイム」の意味・わかりやすい解説
プリングスハイム
ぷりんぐすはいむ
Ernst Pringsheim
(1859―1917)
ドイツの物理学者。ハイデルベルク、ブレスラウ、ベルリンの大学に学び、1882年学位を取得した。ベルリン大学に勤めたのち、1905年ブレスラウ大学教授となる。放射計の開発、学位論文での太陽赤外線の波長測定実験ののち、一時、塩化水素に関する光化学反応やフランス語のアクセントなどに関する研究を行い、ふたたび熱輻射(ふくしゃ)の研究に戻った。1897年ルンマーと共同して黒体条件を満たした輻射実験を行い、シュテファンの法則を確証、1899年には長波長領域でウィーンの放射分布則との系統的なずれを発見、翌1900年、新分布則を提案し、プランクによる作用量子の発見の契機を与えた。
[兵藤友博]