日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルンマー」の意味・わかりやすい解説
ルンマー
るんまー
Otto Richard Lummer
(1860―1925)
ドイツの物理学者。ゲーラ生まれ。1884年干渉縞(じま)「ルンマーの縞」の研究で学位を取得。ヘルムホルツの助手をつとめたのち、1889年国立物理工学研究所に入り、光度の国際単位に関する仕事に加わり、同年測光器(ルンマー‐ブロードゥンの立方体)を、1892年にはクルルバウムFerdinand Kurlbaum(1857―1927)と共同でボロメーター(放射計の一種)を製作し、熱放射の測定を始めた。1894年教授に就任。ウィーンの変位則や放射分布則を確認する実験的研究を進め、1899年プリングスハイムとともに前記放射分布則の長波長領域における非妥当性を発見、新しい放射分布式を提案し、プランクによる作用量子の発見へと導いた。1902年ゲールケErnst Gehrcke(1878―1960)と共同で平行板(多光線干渉計素子)を用いた高解像度の分光器を製作。1904年ブレスラウ大学教授。
[兵藤友博]