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ヘマチン

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヘマチン
へまちん
hematin

ヘモグロビンの鉄イオンにヒドロキシ基-OHが1個結合したポルフィリンの三価鉄錯体の慣用名で、プロトへマチンprotohematin、すなわち、フェリプロトポルフィリンヒドロキシドferriprotoporphyrin hydroxide、フェリヘムヒドロキシドferrihem hydroxideをさす。ヘミンをアルカリに溶解するとヘマチンになる。ヘマチンはメトヘモグロビンの補欠分子族(補欠分子団)で、グロビンに混合すると定量的にメトヘモグロビンが再構成される。
 赤血球のヘモグロビンを酸で処理すると、タンパク質であるグロビンが変性して色素部分のヘムがへミンとして分離するが、これをアルカリ処理すればへマチンが得られる。また、ヘムは酸素によって容易にへマチンに酸化され、亜ニチオン酸ナトリウムで還元すればヘムとなる。へマチンがグロビンと結合すればメトヘモグロビンとなるが、グロビン以外の窒素化合物と結合したものはパラへマチンとよばれる。ヘマチンは生体内ではホスゲンガス中毒や悪性貧血でみられ、また肝性ポルフィリン症の治療に用いられている。[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のヘマチンの言及

【ヘム】より

…鉄原子は,ポルフィリン環の中央に位置し,塩基と配位結合をしている。遊離のヘムは酸化されやすく,酸素分子と反応して,III価鉄のヘマチンhaematinになる。【柳田 充弘】。…

【ポルフィリン】より

…ポルフィリンに鉄,銅,マグネシウムが結合した分子内錯塩は天然に存在し,生理的に重要なものが少なくない。例えばチトクロム,カタラーゼ,ヘモグロビンなどは鉄ポルフィリン誘導体のヘムやヘマチンを含有しており,植物の葉緑体にはマグネシウムポルフィリンとしてのクロロフィル(葉緑素)が含まれる。 ポルフィリンの物理化学的性質は側鎖の種類で大きく変わる。…

※「ヘマチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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