ベッコウトンボ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ベッコウトンボ

体長4センチ前後で、ややずんぐりとした体形の中型トンボ。4枚の羽根に3個ずつ褐色斑がある。未熟な時の体色と羽根の模様がベッコウ色をしていることから名が付いたとされる。寿命は約1カ月。日本、朝鮮半島、中国北・中部に分布し、国内では本州、四国、九州などに局地的に生息する。藺牟田池では3月下旬~6月下旬に成虫を確認できる。環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類。国内希少野生動植物種にも指定され、捕獲が禁じられている。

(2013-05-13 朝日新聞 朝刊 鹿児島全県 1地方)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベッコウトンボ
べっこうとんぼ / 鼈甲蜻蛉
[学]Libellula angelina

昆虫綱トンボ目トンボ科に属する昆虫。体長40~43ミリメートル、後翅(こうし)長30~33ミリメートル。体は太身で細毛を密生した種で、この属の種としては原始的な特徴をもつとされている。羽化後の体色は黄褐色、ついでオリーブ色に変じ、老熟するとチョコレートがかった黒色になる。四翅のいずれにも、基部、中央区、先端近くの3か所にべっこう色の紋がある。成虫の出現期は4~6月。大河の沿岸や低湿地の池沼に育ち、中国大陸中部、朝鮮半島、日本(本州、四国、九州)に分布する。第二次世界大戦前は鹿児島県から宮城県まで分布していたが、第二次大戦後は急速に産地が失われていき、現在では、ややまとまった個体がみられるのは、静岡県内の一地域だけになった。[朝比奈正二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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