ホールバイイング(読み)ほーるばいいんぐ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コンビニエンス・ストア、スーパーマーケット、ファミリーレストラン、百貨店などからなる大手小売業グループが、それぞれの店の多様な需要を一手にまとめ、産地から直接、大量の商品を調達する購買手法。卸売りwhole saleを参考につくられた和製英語である。牛の1頭買い、野菜の畑1面買い、畜産物の牧場丸ごと買い、魚介類の漁船丸ごと買い、といった購買行動をさす。従来、牛を1頭買いしても、すべての部位を使いきらないと売れ残りが出て採算がとれなかった。しかし大手小売業がグループ内に多様な小売業を抱えるようになり、傘下のスーパーや百貨店には精肉、レストランにはカレーやステーキ用の肉、総菜店にはローストビーフ用、コンビニにはプライベート・ブランド商品用など、種類の異なる需要を集約できるようになったことで、むだなく、すべての部分を活用できるホールバイイングが可能になった。ホールバイイング方式はイオンやセブン&アイ・ホールディングスなどの大手小売業が積極的に活用している。

 ホールバイイングは部分買いに比べ仕入れ原価を抑えられるうえ、直接購入のため中間物流コストも削減でき、消費者に割安な商品を提供できるメリットがある。IT(情報技術)を駆使してグループ各店の仕入数量を集約して発注し、共同配送、共同在庫管理などで、グループのスケールメリットを発揮できる利点もある。またプライベート・ブランド商品を安定的に低コストで提供できるほか、珍しい食材などを利用したPR効果も期待できる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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