改訂新版 世界大百科事典 「ポイニングズ法」の意味・わかりやすい解説
ポイニングズ法 (ポイニングズほう)
Poynings' Laws
アイルランド内のイギリス領植民地統治に関する法律。1494-95年成立。名称は法制定当時アイルランド総督代理を務めたポイニングズEdward Poynings(1459-1521)にちなむ。49の法律が成立したが,なかでも,当時のイギリス公法をすべてアイルランドに適用することを定めた法と,アイルランド議会の開催と審議さるべき法案はあらかじめイギリス国王および枢密院の認可を必要とすることを規定した法とが,この名で知られる。後者は1782年に大修正され,イギリス国王はアイルランド両院の成立させた法案に対して,修正権ではなく拒否権のみを保有するとされ,アイルランド議会の独立性が高まった(グラタン議会)。しかし,1801年からの合同により,アイルランド議会そのものが消滅したため,ポイニングズ法もその歴史的役割を終えた。
執筆者:上野 格
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報