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拒否権 きょひけん veto

翻訳|veto

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

拒否権
きょひけん
veto

合議体の決定にあたって,ある構成員の同意が不可欠の要件とされているとき,この構成員は拒否権をもつという。アメリカ大統領や日本の地方自治体の長も拒否権をもつが,国連安全保障理事会アメリカイギリスロシアフランス,中国の5常任理事国が有する拒否権が有名。

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知恵蔵2015の解説

拒否権

安保理の意思決定は、手続き事項については15カ国中9理事国の賛成があればよいが、それ以外の事項(実質事項)については5常任理事国すべての賛成を必要とする。1国でも反対票を投じれば決議の成立を妨げることができるわけで、これを拒否権という。慣行的に、棄権は拒否権の行使とはみなされていない。ある事項が手続きか実質かの決定は実質事項とされ、そこでも拒否権が行使されうる。1970年頃まではソ連による行使が多く、以後は米英両国によるものが目立っていた。2005年までの通算行使回数は253回(ロ122、米77、英32、仏17、中5)。近年は米国によるものが圧倒的に多い。

(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

きょひ‐けん【拒否権】

会議で可決されたことに同意をこばみ、効力の発生を防ぐことのできる権利。
国際連合安全保障理事会における常任理事国に認められる特権的な表決権。一国が拒否すれば案件が成立しない。
議会を通過した法律に対し、君主・大統領などが承認をこばみ、その成立をさまたげる権限。

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百科事典マイペディアの解説

拒否権【きょひけん】

(1)国内法では,立法府によって採択された法律の成立を執行府が阻止する権利。米国の大統領または州知事が連邦議会または州議会に対して行うのが典型的なものだが,議会が出席議員の2/3以上の多数で再度通過させればもはや拒否権は行使できない。
→関連項目教書平和のための結集決議

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会計用語キーワード辞典の解説

拒否権

定款変更や合併、株式交換等、会社の重要事項の決議につき、否決できる権利のことです。一般的な株式会社の場合、拒否権(否決権)が発生するのは議決権総数の3分の1超を保有したときになります。

出典|(株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」
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M&A用語集の解説

拒否権

定款変更や合併、株式交換等、会社の重要事項の決議につき、否決できる権利のこと。一般的な株式会社の場合、議決権総数の3分の1超を保有すれば拒否権 (否決権) が発生する。

出典|株式会社ストライク
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世界大百科事典 第2版の解説

きょひけん【拒否権 veto】

vetoとは本来〈われは禁ずる〉という意味のラテン語であり,一般的には,政治機関によってなされる決定を否認する権限を意味するが,その制度化の目的や実際は一様ではない。今日,国際政治の場で拒否権が制度化されているのは国際連合安全保障理事会で,国際連合憲章27条3項は,手続事項以外の〈すべての事項に関する安全保障理事会の決定は,常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票によって行われる〉と定め,米,英,仏,ロシア,中国の5常任理事国に非手続事項に関する拒否権を認めている。

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大辞林 第三版の解説

きょひけん【拒否権】

同意を拒むことによって、決議の成立を阻止しうる権限。
立法機関が可決した法律の成立を、行政機関の長がその承認を拒否することにより阻止しうる権限。アメリカ大統領のもつ法律拒否権など。
国連の安全保障理事会の常任理事国のもつ決議阻止権。手続き事項以外の実質問題については、常任理事国のうち一国でも反対すれば決議が成立しない。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

拒否権
きょひけん
veto

国家または地方公共団体の一機関が他の機関の行為の成立を阻止する権能。立法府による法案の成立を行政府が阻止する形で問題となることが多い。制限的(または停止的)拒否権と絶対的拒否権の区別がある。アメリカ合衆国憲法上、大統領は連邦議会を通過した法案を拒否する権能を有するが、議会がふたたび3分の2の多数で可決すれば法案はそのまま成立するのは前者の例であり、イギリス国王が議会の法案の成立を完全に阻止する権能を有するのは後者の例であるが、憲法慣例によれば1708年以来行使されていない。
 日本では、地方公共団体の長に対して、地方議会の条例の制定改廃または予算の議決に異議を唱え、再議に付するという、一種の制限的拒否権を認めている(地方自治法176条1~3項)。[内田久司]

国際法上の拒否権

国際的意思決定において1国の反対により決議の成立を阻止する権能をいう。国際会議や国際組織の決議は、国家の主権平等原則を基礎に、伝統的に全会一致規則の下に行われ、そこで、1国でも反対投票をすれば決議は成立せず、すべての国が拒否権を有するというのが一般原則であった。しかし、国際的意思決定においてもしだいに多数決が原則化するなかで、今日、拒否権は主として国連安全保障理事会の表決手続に関して問題となっている。すなわち、同理事会の手続事項に関する決定は15(1965年の国連憲章改正前は11)理事国中、9(改正前は7)理事国の賛成投票により行われるのに対し(国連憲章27条2項)、非手続事項に関する決定は「常任理事国の同意投票を含む」9理事国の賛成投票によって行われる(同27条3項)。したがって、常任理事国が1国でも反対投票すれば決議は成立せず、そこでこれを常任理事国の拒否権という。ここでは、中国(1971年中華民国から中華人民共和国へ代表権交代)、フランス、イギリス、ロシア(1991年ソ連を継承)およびアメリカの五大国にのみ拒否権を認めている点に特色がある。拒否権は、こうして問題を消極的にみた場合の呼称である。しかし元来は、国際平和と安全の維持のような重要事項において、自ら賛成しなかった決定に従い行動する義務を常任理事国が負担することは期待できず、それを押し切って決定を強行すれば大戦を引き起こしかねないという実際的考慮から、大国一致が必要であるという趣旨で認められたものである。こうして問題を積極的にみた場合、これを大国一致の原則という。
 もっとも、国連憲章によれば第6章および第52条3項の下での紛争の平和的解決に関する決定では、紛争当事国は常任理事国であるか否かを問わず棄権を強制されるほか(27条3項但書)、常任理事国の自発的棄権、欠席または投票不参加は、慣行上、拒否権を構成しないこととして扱われるなどの緩和策が講じられている。しかし、このような例外措置が導入されてはいるものの、実際の拒否権行使は261回に上っている。国別ではロシア124回(うちソ連119回)、アメリカ82回、イギリス32回、フランス18回、中国6回(うち中華民国1回)である(2008年末。Global Policy Forumの資料による)。冷戦期にはソ連の行使が突出していたが、1965年同理事会の拡大に伴う西側勢力の相対的減退を背景にアメリカ、イギリスおよびフランスによる行使が増え始め、冷戦終結後はとくにアメリカの行使が目だっている。しかし全体として、冷戦終結後の拒否権行使の回数は減少している。
 制度の趣旨にもかかわらず、拒否権の頻繁な行使は、国連活動の障害になっているとして、国連内でも発足以来断続的にその制限ないし廃止が論議の対象となってきた。冷戦終結後は同理事会の拡大(常任・非常任理事国の増員)問題との関連で議論されることが多いが、同憲章の改正にも全常任理事国の批准が必要とされるので(108条、109条2項)、正規の改正による拒否権改革は容易ではない。[内田久司]

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世界大百科事典内の拒否権の言及

【アメリカ合衆国】より

… 大統領は国の元首として国民統合の象徴でもあり,また行政の最高責任者として首相の機能をもつ。大統領は法律執行の職務のほか,官吏任命権,条約締結権などを有し,また議会に教書messageを送ることによって積極的に立法を勧告するとともに,逆に法案への署名を拒否vetoすることによって立法を阻止することもできる。さらに,大統領は国軍の最高司令官として統帥権を有し,ことに戦時には巨大な戦争権を行使する。…

【安全保障理事会】より

… 理事会の表決方式は,手続事項とそれ以外の事項とに分かれ,前者は,いずれかの9理事国の賛成投票によって決議は成立するが,後者の場合は,9理事国以上の賛成だけでなく,その中に常任理事国全部の同意投票が含まれていなければならない。したがって常任理事国が1国でも反対すれば,たとえ他の理事国全部が賛成しても,決議は採択されないことになり,このような常任理事国の権利を拒否権と呼んでいる。ただし,五大国の棄権や投票不参加は拒否権とならない慣行が成立している。…

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