ポテンシャル障壁(読み)ポテンシャルしょうへき(その他表記)potential barrier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポテンシャル障壁」の意味・わかりやすい解説

ポテンシャル障壁
ポテンシャルしょうへき
potential barrier

量子力学粒子衝突などを扱う場合にしばしば現れるポテンシャルで,近距離では引力遠距離では斥力が働くようなもの。このポテンシャルを図示すると,標的粒子の表面付近で一種障壁の形になるためこの名がある。古典力学では,入射粒子の全エネルギーがポテンシャル障壁の高さより小さければ,この障壁に妨げられて近づけないが,量子力学では,粒子の波動性のためにある確率で障壁を透過できる。これがトンネル効果である。 (→電位障壁 )

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化学辞典 第2版 「ポテンシャル障壁」の解説

ポテンシャル障壁
ポテンシャルショウヘキ
potential barrier

系が変化する過程では,しばしばポテンシャルエネルギーの大きな状態を通る必要がある.この状態を障壁になぞらえてポテンシャル障壁という.ポテンシャル障壁の高さは,系の通過する状況を幾何学的に描いて,その原子配置のポテンシャルエネルギーを計算することによって得られるが,系の変化が電子移動によるときはもちろん,原子の移動による場合でもトンネル効果を考慮する必要がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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