日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクシミリアン(2世)」の意味・わかりやすい解説
マクシミリアン(2世)
まくしみりあん
Maximilian Ⅱ
(1527―1576)
神聖ローマ皇帝(在位1564~76)。フェルディナント1世の子。1548年、カール5世(カルロス1世)の娘でスペイン人のマリアと結婚。同年から3年間スペイン総督となった。帰国後、新教のルター派に傾き、宗教紛争の激しくなるなかで、新旧両派の和解に努力したが、自らは父の皇帝にカトリックの信仰にとどまることを誓わされた。62年、ローマ王、ボヘミア王となり、64年父の死後、帝位を継いだ。帝国内の宗教的・政治的対立を除こうとし、トレント公会議の決議の布告を拒否したので、全ドイツにおける新教徒拡大の勢力は最高頂に達した。一方、オスマン帝国との戦争に敗れ、時代の紛争の解決には成功しなかった。
[中井晶夫]