日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクブライド」の意味・わかりやすい解説
マクブライド
まくぶらいど
Seán MacBride
(1904―1988)
アイルランドの法律家、政治家。フランスのパリに生まれる。両親ともにアイルランド独立運動の熱心な活動家であった。1916年に父のジョンがイースター蜂起(ほうき)の失敗でイギリスによって処刑されたため、彼は母とともにアイルランドに戻り、1917年IRA(アイルランド共和軍)に参加し、独立運動に活躍した。1936年IRAの最高司令官に就任したが、翌1937年にイギリスに対するテロ作戦に反対して辞任し、ダブリンで弁護士を開業した。第二次世界大戦後、共和党を設立、1948年成立した連立内閣で外務大臣を務め、アイルランド共和国の完全独立に力を尽し、それは1949年に達成された。また、1950年にヨーロッパ人権条約が成立する際にも重要な役割を果たした。1961年から1975年までは国際的な人権擁護機関アムネスティ・インターナショナルの委員長を務め、1968年から1974年まで国際平和局の運営委員長も兼任した。1974年には、佐藤栄作(1901―1975)とともにノーベル平和賞を受賞。国際連合においても活動し、1973年から1977年まで事務次長、1977年から1980年まで国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際コミュニケーション委員会の委員長を務めた。なお1977年にソ連の国際レーニン平和賞を、1980年にユネスコ銀メダルを受賞している。
[編集部]