マザー・グースの歌(読み)マザー・グースのうた(英語表記)Mother Goose's Nursery Rhymes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マザー・グースの歌」の意味・わかりやすい解説

マザー・グースの歌
マザー・グースのうた
Mother Goose's Nursery Rhymes

イギリスに古くから伝承されてきた童謡総称。 1765年頃出版業者 J.ニューベリーが 51編を『マザー・グースのメロディー』 Mother Goose's Melodyと題して出版したことからそう呼びならわされてきた。その表題はまたフランスの C.ペローの『童話集』 (1697) の別称 Contes de ma mère l'oye (「鵞鳥おばさんの話」) によるもの。現在 800ほどが採集され,その内容は,子守り歌,数え歌,各種の遊びに結びついた歌,諺,なぞなぞまじないなど多岐にわたる。意味より音を重視する調子のよいリズムや韻によって,また巧まざるユーモアと幻想,ノンセンスによって,子供たちに愛誦される。言葉遊びの宝庫としてばかりでなく,遠い昔の民族的な記憶をとどめる民俗学的資料としても重要である。日本でも北原白秋訳をはじめ早くから紹介され,そのうちいくつかの歌は日本の童謡も同様に親しまれている。 (→ノンセンス文学 )

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