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マネタリーベース まねたりーべーすmonetary base

知恵蔵の解説

マネタリーベース

中央銀行等の通貨性の負債を合計したもの。「中央銀行通貨」「ベースマネー」「ハイパワードマネー」などとも呼ばれる。日本銀行の場合、「日本銀行券発行高」「通貨流通高」「日銀当座預金」の合計額として算定している。通貨の供給に関係する点では、マネーサプライとも似ている。しかし、マネーサプライが、金融部門全体から経済に対して供給される通貨を意味するのに対して、マネタリーベースの統計は、中央銀行が、通貨の発行、金融市場調節などを通じて、どれだけの通貨を供給したかを示す数値であるという違いがある。具体的には、マネーサプライ統計には含まれない日銀当座預金や金融部門の保有現金なども、マネタリーベースには含まれる。ただし、金融部門の保有現金が増加すれば、それを裏づけとして民間銀行から市場に対する資金供給も増加することも期待される。そうした点を踏まえて、マネタリーベースとマネーサプライの関係を指摘する者もいる。日本銀行では、マネタリーベースを月次ベースでインターネットのウェブサイトなどを通じて公表している。2006年7月のマネタリーベース(平均残高、季節調整済み)は、90兆9257億円となっている。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マネタリーベース
まねたりーべーす
monetary base

中央銀行が供給する通貨のこと。日本の場合には日本銀行が供給する円通貨であり、具体的には市中に出回っている流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値をさす。マネタリーベースは日銀から民間金融機関に供給され、一般企業や個人への貸し出しの原資となる。金融機関と企業間を資金が循環することにより預金通貨を増やす信用創造機能が生じ、マネーストック(世の中に出回っている通貨の総額、マネーサプライともいう)を増やしていく。このようにマネタリーベースは、マネーストックの基となる通貨のため「ベースマネーbase money」ともよばれる。また、預金通貨を増やす強い力をもつという意味で、「ハイパワードマネーhigh-powered money」ともよばれる。2013年(平成25)4月、日銀総裁の黒田東彦(はるひこ)(1944― )は、マネタリーベースを2年で2倍(138兆円から270兆円)にする新たな目標を明らかにした。また、金融調整の効果を計る指標として、従来は無担保コール翌日物金利が使用されていたが、2013年4月以降はマネタリーベースが採用されている。[編集部]

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