当座預金(読み)トウザヨキン

デジタル大辞泉 「当座預金」の意味・読み・例文・類語

とうざ‐よきん〔タウザ‐〕【当座預金】

銀行に当座勘定口座を設けている取引先が、小切手手形の支払資金として預け入れた預金無利息で、預金者は小切手・手形により、自由に払い戻しを請求できる。

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精選版 日本国語大辞典 「当座預金」の意味・読み・例文・類語

とうざ‐よきんタウザ‥【当座預金】

  1. 〘 名詞 〙 銀行預金の一種。期限を定めず、預金者の請求に応じて、いつでも支払う無利子の預金。預金の引出しは、預金者の振出した小切手や手形を用いる。当座。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「当座預金」の意味・わかりやすい解説

当座預金
とうざよきん

銀行の取引先が、小切手・手形の支払いを委託することを目的に銀行との間で締結した当座取引契約に基づき預け入れておく預金で、要求払預金の一種である。日本では無利息である。預金者は、日常の営業活動に伴う支払代金の決済や代金回収を当座預金取引先である銀行に委託して行うことにより、事務負担や危険を回避することができる。また、当座預金者は、現金通貨を用いないで、当座預金口座を使用して、手形・小切手により代金を決済できるため、当座預金は通貨としての機能を有する典型的な預金通貨といわれる。当座預金は、法人による決済口座としての使用がほとんどである。その際、金融機関は、取引先である法人が口座残高を超えて極度額まで決済を認める「当座貸越契約」を締結することがある。なお、個人が当座預金を割賦金やカード・ローンの返済専用口座として使用することもある。口座開設を認めた金融機関は、自らの手形・小切手の自由な使用とその金融市場での流通を認めることになるので、取引先の不渡りが多発すれば、その金融機関の信用は低下する。したがって、金融機関は、当座取引申込み先については、身元経歴、信用状態、資産行為能力、過去の手形・小切手事故の有無などについて十分調査確認して取引の諾否を決定する。当座預金は預金保険制度上の決済用預金なので、全額保護される。

[太田和男]

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改訂新版 世界大百科事典 「当座預金」の意味・わかりやすい解説

当座預金 (とうざよきん)

小切手あるいは手形により,随時支払が行われる要求払預金である。金銭支払が多様な形で大量に行われる今日の法人においては,現金支払に伴う金銭出納の煩雑さや危険を避け,商取引の拡充を図るため,当座預金を利用した小切手や手形支払が最も一般的な資金決済手段として用いられている。また,振り出された小切手や手形は,現金に準じた預金通貨として市中を流通する。たとえば,A銀行に当座預金を有する甲が乙に支払をしようとする場合,甲が乙に対し小切手を渡せば,乙はA銀行から現金支払を受けることもできるし,あるいは乙の取引銀行B銀行を通じて小切手の支払呈示を行い,みずからの口座にその代金を入金することもできる。一方銀行は,預金者との当座勘定取引契約に基づき,資金受払いの事務処理を委任されている。これには手数と費用がかかり,かつつねに相当の支払準備を要して資金運用が制約されるため,当座預金は通常無利子である。当座預金は信用経済の発展につれて必要度を増す預金であり,今日ではパーソナル・チェック(個人小切手)と呼ばれる個人家計向けの当座勘定もある。
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百科事典マイペディア 「当座預金」の意味・わかりやすい解説

当座預金【とうざよきん】

小切手手形の支払いを委託した者がそれらの支払資金として預け入れる預金。随時支払いが行われる要求払預金である。収支が頻繁(ひんぱん)で銀行にとっても預金を長期に運用できず,また事務処理に手数と費用がかかるので,普通無利子である。→当座貸越し
→関連項目信用創造普通預金預金預金貨幣

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「当座預金」の意味・わかりやすい解説

当座預金
とうざよきん
current deposit

当座勘定に受入れられる預金で,金融機関と当座勘定契約を結んだ取引先が,その金融機関あてに振出した小切手,その金融機関を支払場所に指定して振出し,または引受けた手形の支払資金として預け入れる預金。当座勘定取引先は日々の商取引によって受取る現金や小切手は当座預金として預け入れ,支払いは小切手・手形を振出してこれにあて,それらの支払いは金融機関が行うのである。換言すれば当座預金者は日常の営業資金の出納をみずから行う手数を省き,金融機関に代行させているものといえる。こうした関係からこの預金には利息がつけられない。

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世界大百科事典(旧版)内の当座預金の言及

【預金】より

… 預金は,その預入れの動機の面から,営業(性)預金,所得預金,貯蓄(性)預金,暫定(性)預金の四つに分類される。営業(性)預金とは,企業または個人がその営業資金の出納を銀行に代行させるために預け入れるもので,出し入れが頻繁で,出納預金とも呼ばれ,おもに当座預金がこれに該当する。所得預金は,個人所得者が日常の収入金や一時的な余剰金をいちおう預け入れ,必要のつどこれを払い出していくもので,普通預金が主としてこれにあたる。…

※「当座預金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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