ミズカゲロウ(読み)みずかげろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズカゲロウ」の意味・わかりやすい解説

ミズカゲロウ
みずかげろう / 水蜻蛉
[学] Sisyra nikkoana

昆虫綱脈翅(みゃくし)目ミズカゲロウ科に属する昆虫。幼虫淡水海綿淡水コケムシの群体中に潜り込み、これを食べて成長する特殊な脈翅類成虫は体長3.5ミリ内外、前翅の開張幅約9ミリ。頭部は凸形、単眼はなく、触角は糸状で長い。翅脈は比較的単純で、段状の横脈はない。また、前翅亜前縁脈と第一径脈は翅端で癒合する。幼虫は水生で、短太の紡錘形をしている。体表に長毛を散布し、また腹部腹板に「く」の字形に曲がった突起が一対ずつある。この突起は気管鰓(さい)のかわりをしているものとみられる。宿主海綿に吸う型の口器を挿入して液汁を吸う。成虫は6~9月に水辺に出現し、灯火にも集まる。日本全土に分布。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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