ミトコンドリアイブ(その他表記)mitochondrial eve

デジタル大辞泉 「ミトコンドリアイブ」の意味・読み・例文・類語

ミトコンドリア‐イブ(mitochondrial eve)

イブの仮説で、現在の人類の母系祖先を遡っていったとき、最初にたどりつく、共通する一人の女性祖先のこと。
[補説]現在の人類はミトコンドリアイブ遺伝子を受け継いではいるが、人類がその女性から始まったわけではない。ミトコンドリアイブの同時代には、他にも多くの女性が存在し、その一部の遺伝子は、途中で男系子孫を介しながら、現在まで受け継がれている。また、ミトコンドリアイブからさらに祖先を遡ることもできる。その母系祖先たちも現在の人類に共通する女性祖先のひとりであるが、その中で、現在の人類に最も近い世代の祖先が、いわゆるミトコンドリアイブである。また将来、ミトコンドリアイブにつながる複数系統のどれかが途絶えた場合、現在ミトコンドリアイブとされている女性の次世代以降の女系子孫が新たにミトコンドリアイブとなる可能性もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミトコンドリアイブ」の意味・わかりやすい解説

ミトコンドリア・イブ
ミトコンドリアイブ
mitochondrial Eve

全人類共通の先祖と仮想された女性。ミトコンドリア内の遺伝子の塩基配列比較検討した結果,アフリカ人種が全人類の共通の祖先で,およそ 20万年前に各人種への分岐が行われたらしいことが判明した。その 20万年前に分岐の地点にいた女性が「ミトコンドリア・イブ」あるいは「黒いイブ」と呼ばれる。

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