ミハルコフ(読み)みはるこふ(英語表記)Сергей Владимирович Михалков/Sergey Vladimirovich Mihalkov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミハルコフ」の意味・わかりやすい解説

ミハルコフ
みはるこふ
Сергей Владимирович Михалков/Sergey Vladimirovich Mihalkov
(1913―2009)

ソ連ロシア詩人劇作家モスクワ生まれ。ゴーリキー文学学校に学ぶ。ロシア児童文学の代表的作家の一人で、児童詩『スチョーパおじさん』(前半1935、後半1954~1982)から『散文による寓話(ぐうわ)』(1967)、戯曲親愛なる少年よ』(1971)まで、詩、歌、寓話、戯曲と広いジャンルにわたって活躍。軽快なリズムと表現力の豊かさ、そしてユーモアのなかに風刺と教訓を生かした作品が多い。戯曲『乞食(こじき)と王子』(1936。原題『トム・キャンティ』)、『うぬぼれウサギ』(1951。『うそつきウサギ』という邦題もある)などは日本でも上演されている。ほかに、戯曲『赤いネクタイ』(1946)などがある。ソ連の国歌をエリ=レギスタンГарольд Габриэльевич Эль-Регистан/Garol'd Gabriel'evich El'-Registan(1924― )と共同で作詞(1943)。4回にわたってソ連邦国家賞を受け、レーニン賞も受賞(1970)。1970年よりソ連邦作家同盟議長およびソ連邦最高会議代議員も務めた。映画監督のアンドレイとニキータは、息子。

[内田莉莎子・長谷見一雄]

『西本昭治訳『寓話集 からっぽの威光』(1958・未来社)』『松谷さやか訳『うそつきウサギ』(1970・大日本図書)』『内田莉莎子訳『こどもの世界文学24ソビエト編2 うぬぼれうさぎほか』(1972・講談社)』『「ソ連の児童文学と児童教育」(『季刊ソヴェート文学』1974年春季号所収・東宣出版)』『田辺佐保子訳、かみやしん絵『わんぱくたちの三日天下』(1985・旺文社)』『岡上理穂訳、ボラティンスキー絵『やぎさんなかないで』(1986・福武書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミハルコフ」の意味・わかりやすい解説

ミハルコフ
Mikhalkov, Sergei Vladimirovich

[生]1913.3.13. ロシア帝国,モスクワ
[没]2009.8.27. ロシア,モスクワ
ロシアの児童文学作家,詩人,劇作家。ソビエト連邦国歌と 2000年に制定されたロシア国歌の作詞者。主として児童文学で活躍。代表作に,長編詩『スチョーパおじさん』Dyadya Styapa(全 4部,1936~82),児童劇『うぬぼれうさぎ』 Zaika-Zaznaika(1951)など。

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