ミュゼット(その他表記)musette [フランス]

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改訂新版 世界大百科事典 「ミュゼット」の意味・わかりやすい解説

ミュゼット
musette [フランス]

(1)フランス語でバッグパイプを指す語の一つ。この楽器はフランスにおいても田園の楽器であるが,18世紀には宮廷上流社会でも愛好され,芸術音楽にも採り入れられた。また,J.S.バッハの作品にも例があるように,この楽器の特色をまねて作られた楽曲もミュゼットと名づけられた。(2)フランスのシャンソンあるいはポピュラーな舞踊音楽で,バルス・ミュゼットvalse musette,ジャバ・ミュゼットjava musetteなどといえば,アコーディオン中心のバンドで演奏される活発なワルツの一種のことで,略して単にミュゼットということがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミュゼット」の意味・わかりやすい解説

ミュゼット
musette

楽器および楽曲形式の一つ。 (1) 17~18世紀にフランスの宮廷でよく用いられた楽器で,バッグパイプの一種。 (2) 田園風な3拍子の舞曲。楽器のミュゼットで奏するような低音の持続音をもつのが特色。

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世界大百科事典(旧版)内のミュゼットの言及

【オーボエ】より

…例えばバッハの諸作品に,チャイコフスキー《白鳥の湖》の前奏曲に,シューベルトの《未完成交響曲》に美しい旋律を聞くことができる。 オーボエ族の楽器に,短3度低いA管で,現在移調楽器として使われるオーボエ・ダモーレoboe d’amore,イングリッシュ・ホルン,バリトン・オーボエ(オーボエの2倍の大きさで音域が1オクターブ低い),ソプラノ・オーボエ(短3度高いEs管),コントラバス・オーボエ(標準より1オクターブと5度低いF管),バッグパイプの一種ミュゼットmusette(標準より5度高いG管)があげられる。【北爪 利世】。…

※「ミュゼット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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