ムカシガエル(英語表記)Leiopelmidae; leiopelmid toad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムカシガエル」の意味・わかりやすい解説

ムカシガエル
Leiopelmidae; leiopelmid toad

カエル目ムカシガエル科に属する動物の総称現生のカエルのうちでは最も原始的な一群で,脊椎骨肋骨の構造がほかのカエルの場合と非常に異なり,また尾を動かす筋肉がある。卵は谷川の源頭付近の地中や石の下などに産みつけられ,子ガエルは卵の中で変態を終えてから孵化して出てくる。ニュージーランドにのみ残存する。比較的多いのはホッホシュテッタームカシガエル Leiopelma hochstetteriであるが,他に分布のもっと局限されたアーチームカシガエル L. archeyiとハミルトンムカシガエル L. hamiltoniの2種がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムカシガエル」の意味・わかりやすい解説

ムカシガエル
むかしがえる / 昔蛙

両生綱無尾目ムカシガエル科に属するカエルの総称。この科はムカシガエル属Leiopelmaの3種のみからなり、ニュージーランド北島およびクック海峡の2小島に限って分布する。尾を動かす筋肉が成体に残存するため、もっとも原始的なカエルとみなされる。体長3、4センチメートルで、背面は緑色か褐色。繁殖期には雄は雌の腰に抱接し、卵は倒木や石の下の湿った地上に産卵される。卵径8~10ミリメートル、卵数10個内外。胚(はい)はゼリー層内で全長2センチメートルのオタマジャクシとなり、孵化(ふか)したのち地上で変態する。

倉本 満]

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