モルバン山地 (モルバンさんち)
Monts du Morvan
フランス中部,パリ盆地の南東縁の一部をなす結晶質岩類からなる山地。山地南部に最高点ボア・デュ・ロア(902m)があり,山地の高度は南東部で高く北西へ低くなる。セーヌ川の支流ヨンヌ川の源流域にあたり,山地内の河川はいずれも南東から北西へ流下する。また位置的にはマシフ・サントラル(中央山地)の北東縁辺部にもあたり,ロアール川の支流アルー川がモルバン山地の南東縁を北東から南西に流れ,マシフ・サントラルから北流するロアール川に合流している。ヨンヌ川とその支流にはセットン,パヌシエールなどの人造湖をもつダムが建設されている。この山地は古くから林業が盛んであったが,最近は牧畜も活発になりつつある。ヨンヌ川源流の稜線上にはシャトー・シノン(535m)があり,観光の中心となっている。
執筆者:米倉 伸之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
モルバン山地
モルバンさんち
Morvan
フランス中部,マシフサントラル (中央山地) の北東縁を形成する山地。北はパリ盆地に接する。最高点はボアデュロア山 (902m) 。片麻岩と花崗岩から成り,地味は酸性で貧しいが,森林とヒースにおおわれた地帯もある。木材を産し,ウシの飼育が盛ん。セーヌ川の支流ヨンヌ川とアルマンソン川およびロアール川の支流アルー川などが流れ,パリ市民の週末行楽地となっている。
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世界大百科事典(旧版)内のモルバン山地の言及
【ブルゴーニュ】より
…中心都市は[ディジョン](コート・ドール県の県都)。
[自然]
マシフ・サントラル(中央山地)から北東へ延びるヘルシニア系のモルバン山地およびラングル高原(ブルゴーニュ高原)がほぼ中央部に広がって脊梁をなしており,これらを分水界として北西へ傾くパリ盆地の周縁部,その南東側で北東~南西走するコート・ドールCôte d’Or〈黄金の丘陵〉の意)と呼ばれる丘陵,およびソーヌ川流域など,自然条件のたいそう異なる諸地域を一つにまとめた集合体である。ほぼ三角形を示す[モルバン山地]は,中央高地から張り出した北東翼の最先端部にあたる高原状の地塊で,おもに古い花コウ岩から成り,硬い斑岩の部分が最高峰のオー・フォラン山(901m)となっている。…
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