ヨーロッパ南天天文台(読み)ヨーロッパナンテンテンモンダイ(その他表記)European Southern Observatory

デジタル大辞泉 「ヨーロッパ南天天文台」の意味・読み・例文・類語

ヨーロッパ‐なんてんてんもんだい【ヨーロッパ南天天文台】

ドイツフランスオランダスウェーデンイタリアなど、ヨーロッパ14か国、およびブラジル共同運営される国際組織本部はドイツのミュンヘン郊外。主力観測設備として、南米チリの超大型光学赤外線望遠鏡VLT、および日本も国際協力建設に参加したアルマ望遠鏡などがある。欧州南天天文台ESOイーソ(European Southern Observatory)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ南天天文台」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ南天天文台
よーろっぱなんてんてんもんだい
European Southern Observatory

20世紀前半にパロマー山天文台(アメリカ、カリフォルニア州)などが建設され、北天の観測が進んだのに比べ、手薄だった南天の観測を目ざして1962年に設立されたヨーロッパの国際天文台機構。略称ESO(イーソ)。

 当初5か国で発足したが、2018年時点では欧州15か国(オーストリアベルギーチェコデンマークフィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランドポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス)が参加。本部はミュンヘン郊外のガルヒングにあり、南米チリのアンデス山脈に複数の天文台を設置し、運用している。

 1966年にチリ北部のラシヤ山(標高2400メートル)に天文台を開設し、口径3.6メートルの望遠鏡など10台以上を1980年代までに建設した。その後、さらに北部にあるパラナル山(標高2600メートル)に8.2メートル望遠鏡4台からなる超大型望遠鏡VLT(Very Large Telescope)を建設し、1998年から南の宇宙の観測をリードした。

 2013年には、日米欧の国際共同事業としてアタカマ高地(標高5000メートル)に66台の電波望遠鏡からなる電波干渉計ALMA完成し、運用されている。

 ESOは2024年頃の完成を目ざして口径39メートルの超大型望遠鏡ELT(Extremely Large Telescope)の建設を構想している。

[家 正則


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世界大百科事典(旧版)内のヨーロッパ南天天文台の言及

【天文台】より

…チェコスロバキアのオンドレーヨフ天文台には,1967年に口径2mの反射望遠鏡が完成した。ヨーロッパ南天天文台(略称ESO)は,ドイツ,フランス,オランダ,スウェーデン,ベルギー,デンマーク,イタリアの7ヵ国からなる連合組織で,本部はドイツのミュンヘン郊外のガルヒンクにある。天文台は南アメリカのチリのラ・シヤにあり,3.6m,1.5m,1mの3反射望遠鏡と1mのシュミット望遠鏡があり,目覚ましい活動を続けている。…

※「ヨーロッパ南天天文台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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