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電波望遠鏡 でんぱぼうえんきょう radio telescope

翻訳|radio telescope

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電波望遠鏡
でんぱぼうえんきょう
radio telescope

天体からくる電波をとらえ,その強度,方向,スペクトルなどを測定する装置。光学望遠鏡とはまったく異なる形をしている。観測される電波の波長は 20mから 1mmまでである。通常,電波望遠鏡は,電波を集めるアンテナ,電波を電気信号に変え増幅を行う受信機,電気信号を記録する記録計から成る。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

電波望遠鏡

天体からの電波を受信する装置の総称。波長が長い電波の場合はテレビのアンテナのようなダイポール列、それ以外は一般にパラボラアンテナが使われる。単一のパラボラアンテナから成る電波望遠鏡の他に、複数のパラボラアンテナを並べて干渉計として使うこともあり、アレイ(array=列)型電波望遠鏡と呼ばれる。国内の代表的電波望遠鏡に文部科学省国立天文台野辺山観測所(長野県)の口径45mの単一パラボラアンテナ電波望遠鏡、口径10mの6台のパラボラアンテナから成る電波干渉計、口径80cmの84台のパラボラアンテナから成る太陽電波観測用の電波干渉計(ヘリオグラフ)などがある。

(谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センターセンター長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

でんぱ‐ぼうえんきょう〔‐バウヱンキヤウ〕【電波望遠鏡】

天体からの微弱な電波を観測する装置。巨大なアンテナと高性能の受信機、記録計などによって構成される。単一パラボラ型と開口合成型(干渉計)に大別される。

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百科事典マイペディアの解説

電波望遠鏡【でんぱぼうえんきょう】

天体からの電波を観測する装置。単一パラボラ型と開口合成型(電波干渉計)に大別。1931年,ジャンスキーにより銀河電波が発見されたことをきっかけに,米国の無線工学者G.リーバーが1930年代後半に作った直径9.5mのパラボラアンテナが最初のものとなった。
→関連項目天体望遠鏡

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世界大百科事典 第2版の解説

でんぱぼうえんきょう【電波望遠鏡 radio telescope】

天体からの電波を観測するためのアンテナ。宇宙は,超高温から超低温,また超高密度から真空に限りなく近い低密度まで,きわめて変化に富む物質の運動の場である。これらの運動に伴い,電波,赤外線,可視光,紫外線,X線,γ線にいたる,あらゆるエネルギー電磁波の放射・吸収過程が繰り返されている。われわれが今日みる宇宙の姿は,これら電磁波の全波長域からの情報を用いて構築されたものであるが,とくに光(可視光)と電波の望遠鏡に負うところが大きい。

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大辞林 第三版の解説

でんぱぼうえんきょう【電波望遠鏡】

天体からの電波を受信し、増幅して観測する装置。パラボラ-アンテナをはじめとし、対象とする電波に応じた種々の形のアンテナが用いられている。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電波望遠鏡
でんぱぼうえんきょう
radio telescope

宇宙からやってくる電波を集め、強め、分析して、宇宙におけるさまざまな自然現象を研究する道具として発達したのが電波望遠鏡である。[海部宣男]

原理

回転放物面(パラボロイド)の反射鏡を用いて、宇宙からのかすかな電波を一点(焦点)に集める。これは光学反射望遠鏡と同様である。光学望遠鏡の場合は、焦点に拡大レンズを置いて目でのぞいたり、写真乾板を置いて写真に撮ったりするが、電波では波長が長いためにそうしたことはできない。そのかわりに、集めた電波を電磁波の波動のまま電磁ホーンで取り込み、受信機に導いて、強め(増幅)、低周波の電波へと周波数変換し、周波数分析(電波分光)や、偏波、強度の測定などを行う。
 長波長では、パラボロイドのかわりに長大な放物面柱、アンテナを多数並べたダイポール・アレイなどによる集光も行われる。また多くの集光系と受信機システムを互いに距離を置いて配し、ケーブルで全体をつなぎ合わせて、一つの電波望遠鏡とする電波干渉計方式は、著しい発展を遂げている。[海部宣男]

パラボロイド型電波望遠鏡とその構成

回転放物面の主反射鏡は、天球の動きを追い、また観測プログラムに従って自在かつ精密に方向を変えるために、コンピュータ制御の駆動架台によって支持される。主反射鏡面は、観測しようとする電波の波長に比べて十分な滑らかさであればよい。したがって、波長1メートル前後の長波長での観測が主流であった電波天文学の初期(1950~60年代)に建設された大型電波望遠鏡は、そのほとんどが金網でパラボラ形の反射面を構成した。こうした簡単な主鏡であれば、直径数十メートルの巨大な電波望遠鏡の建設も比較的容易であった。
 反射鏡の直径を大きくすることは、集光力と分解能を改善するために重要である。観測する電波源の構造を細かく見分ける能力(分解能)は、反射鏡の直径に比例し、観測する電波の波長に反比例する。光に比べて波長が桁(けた)違いに長い電波では、反射鏡を相当に大きくしても分解能は悪く、ぼやけた電波天体の姿しかとらえられない。
 しかし1980年代からは波長が短い電波、とくに波長が1センチ~1ミリメートルの「ミリ波」が注目され、そのためにきわめて高精度の反射鏡が競って建設された。国立天文台野辺山(のべやま)宇宙電波観測所にある直径45メートルのミリ波望遠鏡は、この種のものとしては世界最大である。この望遠鏡では、主反射鏡面に熱変形の少ない炭素繊維を用いたり、鏡面の重力変形を押さえ込む特殊な設計や、レーザーあるいは電波による鏡面の測定など、多くの新しい技術が用いられた。
 主反射鏡で焦点に集められた電波は、焦点に置かれた電磁ホーンにより導波管へ取り込まれ、受信機に導かれる。受信の検出感度を決定するのは、初段に置かれた前置増幅器(プリアンプ)ないしはミクサ・プリアンプで、ヘリウムガスなどで低温に冷やし、内部での雑音電波発生を極力抑えなければならない。センチメートル波では、メーザー増幅器、パラメトリック増幅器、HEMT増幅器などが用いられる。短波長のミリ波・サブミリ波では超伝導効果を用いた周波数混合器(ミクサ)によって、低周波への変換をまず行ってから増幅する(ミクサ・プリアンプ)。
 電波はさらに分析機へ送られる。受信電波を周波数ごとに細分し、その強度を同時に測定する電波分光器には、レーザーと音響光学効果を応用した方式やデジタル方式があり、スペクトル線の検出、分析に用いられる。そのほか電波の振動面の方向や偏りの程度を測る偏波計や電波強度の速い変化を測定する装置などが、目的に応じて使用される。
 電波望遠鏡の制御と膨大なデータの処理のためには、高速で大容量のコンピュータが必要である。電波望遠鏡は原則として一時に空の一点からの電波しか受けられないので、電波天体の構造を調べるには、次々と多くの点について観測を行い、蓄積したデータをコンピュータ内で解析して画像を合成する。このようにして合成された電波画像が、いわば光学望遠鏡の写真に相当する。現在では、10~20の受信機を組み込むマルチ・ビーム方式も実用化されるようになっている。[海部宣男]

電波干渉計

波長が長いことによる分解能の不足を補うため、電波干渉計が発明された。
 二つのアンテナ(集光器)を互いに離して置き、同時に観測したある天体の電波をケーブルで送って一つにあわせて干渉させる。このときの分解能は、二つのアンテナの間の距離を直径とする電波望遠鏡の分解能に相当する。ただし二つだけでは集光力・情報量が不足なので、多くのアンテナを配置して、一つの電波望遠鏡とする。システムは複雑であるが、この方式によって電波天体の微細な構造を描き出すことが可能になった。これを開口合成干渉計という。
 アメリカのVLAは、直径25メートルのアンテナを27基、40キロメートルの範囲に配置した巨大な開口合成干渉計である。VLAの分解能は、大型光学望遠鏡のそれに匹敵する。さらに世界各国の電波望遠鏡を結んで干渉計ネットワークを構成するVLBI(超長基線電波干渉計)では、角度で1000分の1秒という高分解能を達成している。[海部宣男]
『海部宣男著『銀河から宇宙へ』(1972・新日本出版社) ▽西村史朗・海部宣男編『現代天文学講座11 宇宙の観測 光と電波による観測』(1981・恒星社厚生閣) ▽赤羽賢司・海部宣男・田原博人著『宇宙電波天文学』(1988・共立出版) ▽海部宣男著『電波望遠鏡をつくる』(1986・大月書店) ▽高橋冨士信・近藤哲朗・高橋幸雄著『VLBI技術』(1997・オーム社)』

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