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ヨーロッパ自由貿易連合 ヨーロッパじゆうぼうえきれんごうEuropean Free Trade Association; EFTA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヨーロッパ自由貿易連合
ヨーロッパじゆうぼうえきれんごう
European Free Trade Association; EFTA

ヨーロッパ経済共同体 EECに参加しなかった国々が結成する,自由貿易地域創出のための地域経済機構。域内の関税や数量制限を撤廃し,域内での自由貿易の利益を享受することを目的としたが,域外に対しては共通関税の設定を目指さず,各国が独自の関税決定権をもち,政策協議や政治統合を目指していない点で,EECのような関税同盟の性格をもたない,結合のゆるやかな連合。本部はスイスのジュネーブに置かれ,最高機関は理事会(閣僚級)。1960年イギリスデンマークノルウェースウェーデンオーストリア,スイス,ポルトガルが参加し発足。1966年に工業製品のみの自由貿易地域が実現。1970年にアイスランドが加盟。イギリスとデンマークは 1972年末に EFTAを脱退し EECに加盟したが,ほかの 6ヵ国はそれぞれ EECと自由貿易協定を締結した(1973発効)。1977年に最初の EFTA首脳会議が開かれ,EFTA諸国議員委員会が新設された。1984年に「自由貿易圏」が完成した。1985年末にポルトガルが EFTAを脱退,準加盟国であったフィンランドは 1986年正式加盟,1991年にリヒテンシュタインが正式加盟し,7ヵ国となった。しかしその後,EECとの間でヨーロッパ経済領域 EEAの構想が浮上し,1994年1月,スイスとリヒテンシュタインを除く EFTA 5ヵ国とヨーロッパ連合 EU 12ヵ国の 17ヵ国で構成する統合市場の EEAが正式に発足した。オーストリア,フィンランド,スウェーデンは 1995年 EUに参加。2012年現在,アイスランド,スイス,ノルウェー,リヒテンシュタインの 4ヵ国が加盟。

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デジタル大辞泉の解説

ヨーロッパ‐じゆうぼうえきれんごう〔‐ジイウボウエキレンガフ〕【ヨーロッパ自由貿易連合】

エフタ(EFTA)

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百科事典マイペディアの解説

ヨーロッパ自由貿易連合【ヨーロッパじゆうぼうえきれんごう】

European Free Trade Associationといい,略称EFTA(エフタ)。1960年,ヨーロッパ経済共同体(EEC)加盟を拒否された英国を中心に結成。
→関連項目スイスヨーロッパ経済協力機構

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世界大百科事典 第2版の解説

ヨーロッパじゆうぼうえきれんごう【ヨーロッパ自由貿易連合 European Free Trade Association】

1959年に設立されたヨーロッパの自由貿易地域。発足は60年。EFTA(エフタ)と略称される。当初の加盟国はイギリス,デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,スイス,オーストリア,ポルトガルの7ヵ国。EEC(ヨーロッパ経済共同体)の原加盟国6ヵ国が〈インナー・シックスInner Six〉と呼ばれるのに対して,これらの国々は〈アウター・セブンOuter Seven〉と呼ばれる。その後61年にフィンランド(準加盟),70年にアイスランドが加盟したが,73年にイギリスとデンマークが,86年にポルトガルが,95年フィンランド,オーストリアが脱退して現在は4ヵ国で構成されている。

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大辞林 第三版の解説

ヨーロッパじゆうぼうえきれんごう【ヨーロッパ自由貿易連合】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヨーロッパ自由貿易連合
よーろっぱじゆうぼうえきれんごう
European Free Trade Association

略称EFTA(エフタ)。ヨーロッパの地域的経済統合機構の一つ。1958年に発足したヨーロッパ経済共同体(EEC)に対抗して、1960年1月4日にイギリスの主導の下に、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、スイス、ポルトガルの7か国によって自由貿易地域結成のための条約がスウェーデンのストックホルムで調印され、同年5月3日に発効した。その後、61年にフィンランド(当初準加盟、86年に正式加盟)、70年にアイスランド、91年にリヒテンシュタインが加盟したが、1973年にイギリス、デンマーク、86年にポルトガルがヨーロッパ共同体(EC)加盟のため、95年にスウェーデン、フィンランド、オーストリアがヨーロッパ連合(EU)加盟のために脱退した(ノルウェーは1972年にEC加盟条約に調印をしたが、国民投票で否決された)。それ以降、EFTAはノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインの4か国で構成されている。本部はスイスのジュネーブ。
 EFTAは、全ヨーロッパを結集する大自由貿易地域設立構想が破れて1958年EECが結成されたため、これに対抗して、イギリスが、独自の立場で、イギリス連邦諸国との関係を維持し、ヨーロッパにおける経済的・政治的リーダーシップを確保しようとし、最終的に政治統合を目ざすEECに対しておもに政治的理由から加盟をためらっていた北欧、スイスなどを加えて発足したものである。EFTAは、域内の関税を撤廃する点ではEECと同じであるが、域外に対しては、EECと異なり、共通関税を設定することはしない。当初のスケジュールでは、1970年1月1日までに域内工業製品の関税および数量制限を撤廃することになっていたが、実際には3年短縮して1966年末には撤廃を完了し、自由貿易地域を完成した。
 ところが、1967年にEECを中心として発足し発展の著しいECに加盟するため、73年1月1日にイギリスとデンマークがEFTAを脱退した。それに先だって、EFTAに残留する7か国は、ECとの間で連合協定締結を個別に交渉、1972年7月22日にベルギーのブリュッセルでヨーロッパ自由貿易地域協定に調印した。協定内容は各国ごとに異なるが、その骨子は、一部の例外品目を除いて、工業製品について段階的に関税を引き下げ、最終的には関税の撤廃を目ざすというものであった。この結果77年7月1日、EFTA7か国、EC9か国を含めた16か国からなる一大自由貿易地域が形成された。84年にはEFTA、ECの両機構はヨーロッパ経済領域(EEA)を創設する必要性を認めていたが、92年のEC域内市場統合の進展にあわせる形で、93年発足を目標とし、1992年5月、EEA協定に正式に調印した。しかしスイスがEEA協定の批准を決める国民投票で否決したため、結局EEAは94年1月スイスを除いて発足した。EEA協定は、加盟国間の財、労働、資本の自由な移動の拡大を図るほか、環境、安全保障、社会政策などの面で、EUの域内共通政策の実施、研究開発、教育、観光などの諸分野での協力を規定している。[相原 光]
『石渡利康・佐伯富樹・曽我英雄著『ECの拡大と深化』(1990・高文堂出版社) ▽日本国際政治学会編『政治統合に向かうEC』(1990・日本国際政治学会) ▽小久保康之著『新欧州秩序構築下におけるEC・EFTA関係の現状と展望』(1993・世界平和研究所) ▽田中友義・河野誠之・長友貴樹著『ゼミナール 欧州統合――歴史・現状・展望』(1994・有斐閣)』

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世界大百科事典内のヨーロッパ自由貿易連合の言及

【関税同盟】より

…現在は〈ヨーロッパ連合(EU)〉に統合されている)。EECに対抗して,イギリス,スウェーデン,デンマーク,オーストリア,ポルトガルは60年にヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)を発足させたが,これは自由貿易地域にとどまるものであり関税同盟ではない。EECやEFTAに触発されて,それ以後,ラテン・アメリカ自由貿易連合(LAFTA),中米共同市場(CACM),アラブ共同市場(ACM),西アフリカ諸国経済共同体(ECWAS)等,世界各地に多くの経済統合が発足している。…

【自由貿易地域】より

…ただし,GATT自体は自由貿易地域と関税同盟の結成を例外として認めている(GATT24条8項)。 実際に結成された代表的な自由貿易地域としては,ヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)および中南米自由貿易連合(LAFTA)がある。EFTAはヨーロッパ経済共同体(EEC)に対抗してイギリスを中心とした7ヵ国によって1960年に結成され,67年までに域内の関税はほぼ撤廃された。…

【貿易】より

…1951‐70年の世界貿易の拡大率は年率8.5%という未曾有の高率であった。このなかで西ヨーロッパ諸国ではヨーロッパ共同体(EC)とヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)を中心に貿易自由化,市場統合化が進められた。日本はこのときも少し遅れて世界経済拡大に参加した。…

【ポンド】より

…その意味でポンド再建の鍵はスターリング地域といかなる結合関係を維持するかにかかっていた。58年ヨーロッパ経済共同体(EEC)がフランス,西ドイツなど6ヵ国で形成されたとき,イギリスはこれに加盟せず,みずからが中心となってヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)を形成したのも,スターリング地域との補完的貿易関係を考慮したからである。しかしそれもポンドの基盤強化とはならず,同じ58年末,大陸西ヨーロッパ諸国とともに通貨の交換性回復に踏み切った後でも,いわゆるストップ・アンド・ゴー政策によってポンドの価値を維持するのがやっとであった。…

※「ヨーロッパ自由貿易連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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