ヨーロッパ経済協力機構(読み)ヨーロッパケイザイキョウリョクキコウ

デジタル大辞泉 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・読み・例文・類語

ヨーロッパ‐けいざいきょうりょくきこう〔‐ケイザイケフリヨクキコウ〕【ヨーロッパ経済協力機構】

オー‐イー‐イー‐シー(OEEC)

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精選版 日本国語大辞典 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・読み・例文・類語

ヨーロッパ‐けいざいきょうりょくきこう‥ケイザイケフリョクキコウ【ヨーロッパ経済協力機構】

  1. ( [英語] Organization for European Economic Cooperation の訳語 ) アメリカヨーロッパ復興計画マーシャルプラン)のヨーロッパ側受入れ機関として、一九四八年、イギリスフランスなど西欧被援助国一六か国によって結成された国際機関本部パリ。六一年経済協力開発機構(OECD)に発展解消をした。略称OEEC。

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百科事典マイペディア 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済協力機構【ヨーロッパけいざいきょうりょくきこう】

Organization for European Economic Cooperationといい,略称OEEC。第2次大戦後のヨーロッパ復興目的とする米国マーシャル・プラン受入れ機構として,1948年設置された国際機構貿易自由化を促進し,1950年以降はヨーロッパ決済同盟によって支払体制の自由化を進めた。全西欧を含む経済機構として重きをなしたが,ヨーロッパ経済共同体ヨーロッパ自由貿易連合出現により,1961年経済協力開発機構(OECD)に発展的解消。本部をパリに置き,解消時の加盟国は西欧18ヵ国で,米国・カナダは準加盟,ユーゴスラビアオブザーバーを送っていた。
→関連項目OECD原子力機関スパークヨーロッパ通貨協定

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済協力機構
よーろっぱけいざいきょうりょくきこう
Organization for European Economic Cooperation

略称OEEC。1947年、アメリカはヨーロッパ復興援助計画、いわゆるマーシャル・プランを発表、これに基づいて48年4月16日にヨーロッパ16か国によって「ヨーロッパ経済協力に関する条約」が調印され、OEECが設立された(加盟国はのち18か国)。OEECはマーシャル・プランの受入れ機関として設立されたもので、アメリカからの総額約132億ドルの援助資金を基として、ヨーロッパ諸国の経済の復興、貿易の自由化などを行うことを目的とした。その後、1950年代後半にヨーロッパ諸国の経済が回復すると、これまで援助供与国であったアメリカがヨーロッパ諸国と経済政策の調整を行うことが必要となり、また、当時増大しつつあった発展途上国に対する援助の負担を先進諸国において分担することが要請されるようになった。こうした国際社会の発展および構造変化に対応するため、OEECは1961年9月30日をもって経済協力開発機構(OECD)に改組された。

[横川 新]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済協力機構
ヨーロッパけいざいきょうりょくきこう
Organization for European Economic Cooperation; OEEC

マーシャル・プランに対応すると同時に相互協力を目的として,イギリス,フランスなど 16ヵ国が 1948年6月の条約で設立した国際機構。本部はパリに所在。西ドイツは 49年に,スペインは 59年に加盟。アメリカ,カナダ両国は 50年に準加盟した。復興援助の配分調整を行い,それが 52年に終了したのちは,貿易の自由化,通貨の交換性を目指した。 OEEC枠内で,ヨーロッパ決済同盟,ヨーロッパ生産性機関,ヨーロッパ運輸相会議,ヨーロッパ原子力機関も設立されていた。 61年,経済協力開発機構 OECDの発足により発展的解消をとげた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヨーロッパ経済協力機構」の解説

ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)(ヨーロッパけいざいきょうりょくきこう)
Organization for European Economic Cooperation

第二次世界大戦後,マーシャル・プランのヨーロッパ側受け入れ調整機構として,1948年4月,ヨーロッパ16カ国で結成された。ヨーロッパ決済同盟(EPU)という下部機関を通じて,これら諸国の貿易の自由化,通貨の交換性回復を促進した。ヨーロッパ経済の復興発展に伴うEFTA(エフタ)の出現をみて存在理由は薄くなり,61年9月経済協力開発機構(OECD)に改組された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ヨーロッパ経済協力機構」の解説

ヨーロッパ経済協力機構
ヨーロッパけいざいきょうりょくきこう
Organization for European Economic Cooperation

1948年4月に設立された,マーシャル−プランの受入れ機関。略称OEEC
西ヨーロッパの復興,経済協力,貿易の自由化などを目的とし,加盟国は18か国(解消時,アメリカ・カナダは準加盟国)を数えた。1958年1月ヨーロッパ経済共同体(EEC)の発足に伴い,61年9月経済協力開発機構(OECD)に発展的解消をした。

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世界大百科事典(旧版)内のヨーロッパ経済協力機構の言及

【OECD】より

…経済協力開発機構Organization for Economic Co‐operation and Developmentの略称。1961年9月30日発効のOECD条約にもとづき発足した国際機構であるが,前身のヨーロッパ経済協力機構Organization for European Economic Co‐operation(略称OEEC)を改組・発展させたもの。本部パリ。…

【ヨーロッパ共同体】より

…ヨーロッパにおける三つの超国家的な地域統合機構であるヨーロッパ経済共同体(EEC),ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC),およびユーラトム(ヨーロッパ原子力共同体EURATOM)の総称。ECと略称するが,1992年のマーストリヒト条約によって誕生したヨーロッパ連合(EU)の一部となった。3共同体の立法機関である理事会と執行機関である委員会が,1965年4月に調印された融合条約によって,単一のEC理事会(通称は閣僚理事会)と単一のEC委員会に統一されることになり,67年7月1日を機に3共同体は機構的に統一され,以後ヨーロッパ共同体と呼ばれることになった。…

【ヨーロッパ連合】より

…第2次大戦が終わると,アメリカとソ連の狭間に立って没落の感を強めたヨーロッパ諸国は,統合を模索しはじめた。マーシャル・プランの受入れ体制としてヨーロッパ経済協力機構(OEEC)を設立することを審議していたヨーロッパ経済協力委員会と,安全保障を担うことが期待されていたブリュッセル条約機構を主要な舞台にさまざまなアイディアが提出され,交渉が行われた。しかし,結局誕生したOEECも,ヨーロッパ審議会も,構成国の主権には手を触れない政府間機構にとどまった。…

※「ヨーロッパ経済協力機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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