ヨーロッパ経済協力機構(読み)よーろっぱけいざいきょうりょくきこう(英語表記)Organization for European Economic Cooperation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済協力機構
よーろっぱけいざいきょうりょくきこう
Organization for European Economic Cooperation

略称OEEC。1947年、アメリカはヨーロッパ復興援助計画、いわゆるマーシャル・プランを発表、これに基づいて48年4月16日にヨーロッパ16か国によって「ヨーロッパ経済協力に関する条約」が調印され、OEECが設立された(加盟国はのち18か国)。OEECはマーシャル・プランの受入れ機関として設立されたもので、アメリカからの総額約132億ドルの援助資金を基として、ヨーロッパ諸国の経済の復興、貿易の自由化などを行うことを目的とした。その後、1950年代後半にヨーロッパ諸国の経済が回復すると、これまで援助供与国であったアメリカがヨーロッパ諸国と経済政策の調整を行うことが必要となり、また、当時増大しつつあった発展途上国に対する援助の負担を先進諸国において分担することが要請されるようになった。こうした国際社会の発展および構造変化に対応するため、OEECは1961年9月30日をもって経済協力開発機構OECD)に改組された。

横川 新]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ経済協力機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済協力機構
ヨーロッパけいざいきょうりょくきこう
Organization for European Economic Cooperation; OEEC

マーシャル・プランに対応すると同時に相互協力を目的として,イギリスフランスなど 16ヵ国が 1948年6月の条約で設立した国際機構本部パリに所在。西ドイツは 49年に,スペインは 59年に加盟。アメリカ,カナダ両国は 50年に準加盟した。復興援助の配分調整を行い,それが 52年に終了したのちは,貿易の自由化,通貨の交換性を目指した。 OEEC枠内で,ヨーロッパ決済同盟,ヨーロッパ生産性機関,ヨーロッパ運輸相会議,ヨーロッパ原子力機関も設立されていた。 61年,経済協力開発機構 OECDの発足により発展的解消をとげた。

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